第201話 藍色の妖精と桜色の妖精と夕日色の妖精
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―クロッカスの街 北側―
ドガァン!ゴオォン!ガコォオン!という鈍くて大きな破壊音が響き渡る、瓦礫化とした夜のクロッカスの街。
街を無残な姿に変えてゆくのは、突如姿を現した悪魔が持つ鎖に付いた赤黒い巨大な鉄球。砲丸の10倍もある大きさの鉄球を悪魔は軽々と振り回し街を破壊していく。悪魔が振り回す巨大な鉄球により、建物が次々と破壊され、木々が倒され、地面に亀裂が入り、花々が儚く散り行く。
ハマ「これ以上!街を破壊するのはお止め下さい!花弁の弾丸!」
ツツ「ナックルプラント!」
幸福の花の魔道士、ハマナスが鋼鉄のように硬い花弁の弾丸を悪魔に向かって放ち、ツツジが地面に投げた秘種が急成長して育った拳の形をした蔦が悪魔に殴り掛かる―――が、2人の攻撃は悪魔には痛くも痒くもないらしい。
リキ「アイアンメイク、槍騎兵ッ!!」
カリ「クリスタルメイク、鷲ッ!!」
月の涙の魔道士、リキとカリンが鉄の槍と硝子の鷲を悪魔に向かって同時に放つが、この2人の攻撃も悪魔には痛くも痒くもないらしい。
バッ「ヒッ・・ク、おぅおぅおぅ・・なかなかやるじゃねーか、あの化けモン・・・うぃ。」
トビ「って、いつまで酒飲んでんだよーっ!」
ユウ「戦えない俺等がそれ言っても意味ねェだろ・・・」
地面に胡座を掻いて酒を飲んでいる四つ首の猟犬の魔道士、バッカスに蛇姫の鱗の魔道士、トビーがキレながらツッコミを入れ更にユウカもトビーにツッコミを入れる。
なぜトビーとユウカが戦えないのかと言うと、トビーの魔法は近距離専門なのだが、巨大な鉄球を振り回している悪魔には敵う訳が無く、ユウカの波動も、鉄球は魔法ではないので消し去る事が出来ず無意味に等しいからだ。酷く言えば、2人はこの場で役立たずという事だ。
バッ「ぷはぁ。役立たずは黙って見てろ・・ヒッ。」
トビ「うっ・・!」
ユウ「・・・・・」
酒を飲み終えたバッカスがふらふらぁ〜と立ち上がりながら言う。その言葉にトビーは内心傷つき、ユウカは何も言えずに黙っていた。
バッカスは赤みを帯びた顔をニヤつかせ、その場で妙なポーズを構えると、
バッ「うォらァア!」
巨大な一撃を悪魔の腹部に食らわせた。
さすがの悪魔でも、バッカスの一撃は効いたみたいで足元がふらついた。
バッ「へへっ、どーんなもん・・・ぐハァ!」
ツツ「バッカス様!?」
カリ「キャーーーーーーーー!」
バッカスが油断したほんの一瞬の隙を突いて、悪魔は巨大な鉄球をバッカスの背中に命中させた。
鉄球の反動と重さで遠くまで吹っ飛ばされたバッ
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