赤の少女が求めしモノは
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ゃいちゃしてる時の方が近いのかな。キモチイイし、真っ白になるし、どうでもよくなるし」
「あんたそういやぁ……桂花の友達やったっけか……」
すーっと椅子を引きつつ、いやいやと首を振りながら張遼は身体を竦めた。そんな警戒しなくていいじゃん。ってか桂花は此処でどんな生活してんのさ。
――あ、そういう振りか。冗談を此処でかませる人なんだ。
見れば引きつつも口元が緩んでいる。やっぱりあたしに対して憎しみは持っていないらしい。
「そだよー。百合っ子な桂花の友達。張遼はあたしを食べてみたい? それとも食べられたい?」
舌を出してにやけてみると、彼女の頬が引き攣った。こういう返しには慣れていないようだ。
「……ま、ええわ」
「あれ? 逃げちゃうんだ」
「話の筋変えてしもたし逃げるに限る。別に組み敷いてもかまへんけど?」
「やん♪ 優しくしてね?」
すとん、と寝台に腰を下ろして誘ってみる。
お遊びだ。暇だったんだからこれくらい許して貰おう。
ぐいぐい来られるのは苦手な様子……というよりかは、お気に入りの子にしかがっつり行かない部類と見た。
「凪やったら良かったのに……柔らかそうな太腿しよるけど……うん、あかん……」
遠い目をして何か言ってる。きっと聞こえてないと思ってる。あたしの耳にはばっちり聴こえてるよ、張遼。
後に、ふるふると首を振った彼女が、真剣な眼差しで見据えて来た。お遊びはおしまい、きっとそういうこと。
「……なぁ、張コウ」
「なぁにー?」
「あんたぁはクソアマやけど、譲れへんもんがあるんやろ?」
酷い呼び方。まあ、嫌いだと真っ直ぐ伝えてくるあたり、この人も根は素直で優しいに違いない。
問いかけの意味は……最後の線引きってわけだ。
「譲れないモノ……ね。華雄の事を割り切る最後の線として、あたしの事確認したいってこと?」
「……せや」
「感情とか心ってのは理性とは別だもんねー。憎しみは無くなったけどしこりがあるって感じじゃない?」
不快気に寄せられる眉。思考や心の中を読まれるというのは、気心が知れた仲でなければ気持ち悪く感じるモノ。
仲間でもなんでもないのだから、この程度のいじわるはさせて貰う。多分……逆鱗はコレ。
「後悔してんの? 自分がしっかりと止めてたらーって」
「っ! してへんわ! あの時自分がこうしてたら……んなもんクソ喰らえや!」
「だよねー。それで華雄が戻ってくるわけじゃなし。戦った意味も想いも嘘にしちゃうわけだし」
「……分かっとって聞いたんかい」
「そそ、これがあたしのやり口」
ほら怒った。
後悔しない彼女は正しい。考えてしまう事はあるだろうけど、今を大切にする人だ。生きている実感を戦いに求める彼女
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