抉りて殺せ (1)
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何を笑うとるんや! 狼銃はん、説明してもらうで! あんさん、何をしはったんや!!」
おっと。笑いが漏れていたか。俺としたことが...。
「なあに。少しの間だけ生き返らせてやっただけだ。単刀直入に聞かせてもらうが、誰に殺られた?」
「生き返らせたやて!? そんな、魔法みたいなこと出来るわけが...っがはぁ!!」
「いいから答えろ。今度は、蹴りだけじゃ済まないぞ」
聞かれたことだけ答えればいいんだよ。獲物を盗られた気がして苛立っているんだから。
「お、オオカミや。オオカミに殺られたんや!」
「オオカミ? ......そうか、なるほど。ご苦労だったな。
ベルゼブブ、食べていいぞ。頭だけな」
「な! なんやて!? 狼銃はん、なんでや。い、いやや...あ、ああ。ぎゃあああああああぁぁぁ...っ!!!」
ベルゼブブの杭が即頭部に喰い込む。硬い頭蓋骨を抉るようにゴリ、ゴリ、と音を立てる。
......これでよし。あとは、源次か。
「言い残しておくことはあるか?」
答えれば、いや、答えずともすぐに屍となると分かっているはずだが、源次は頭を垂れて返答した。
「ご武運をお祈り致しております」
「流石、金蔵の家具! ルシファー、やれ」
ルシファーの杭が、胸を抉る。秀吉の時とは少し違い、筋張った肉を捻りながら深く、深く喰い込ませていく。まるで、安いステーキ肉に箸を突き刺すように。
その間、源次は叫び声一つ上げようとはしなかった。
胸を抉られていく度に、その傷口からは血が噴き出した。
その場には、再び二つの遺体が転がっていた。
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