暁 〜小説投稿サイト〜
うみねこのなく頃に散《虚無》
抉りて殺せ (1)
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
何を笑うとるんや! 狼銃はん、説明してもらうで! あんさん、何をしはったんや!!」


 おっと。笑いが漏れていたか。俺としたことが...。


「なあに。少しの間だけ生き返らせてやっただけだ。単刀直入に聞かせてもらうが、誰に殺られた?」

「生き返らせたやて!? そんな、魔法みたいなこと出来るわけが...っがはぁ!!」

「いいから答えろ。今度は、蹴りだけじゃ済まないぞ」


 聞かれたことだけ答えればいいんだよ。獲物を盗られた気がして苛立っているんだから。


「お、オオカミや。オオカミに殺られたんや!」

「オオカミ? ......そうか、なるほど。ご苦労だったな。
ベルゼブブ、食べていいぞ。頭だけな」

「な! なんやて!? 狼銃はん、なんでや。い、いやや...あ、ああ。ぎゃあああああああぁぁぁ...っ!!!」


 ベルゼブブの杭が即頭部に喰い込む。硬い頭蓋骨を抉るようにゴリ、ゴリ、と音を立てる。
 ......これでよし。あとは、源次か。


「言い残しておくことはあるか?」


 答えれば、いや、答えずともすぐに屍となると分かっているはずだが、源次は頭を垂れて返答した。


「ご武運をお祈り致しております」

「流石、金蔵の家具! ルシファー、やれ」


 ルシファーの杭が、胸を抉る。秀吉の時とは少し違い、筋張った肉を捻りながら深く、深く喰い込ませていく。まるで、安いステーキ肉に箸を突き刺すように。

 その間、源次は叫び声一つ上げようとはしなかった。
 胸を抉られていく度に、その傷口からは血が噴き出した。

 その場には、再び二つの遺体が転がっていた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ