抉りて殺せ (1)
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こうか。
「倣え。煉獄の七姉妹。傲慢、暴食」
「傲慢のルシファー、ここに」
「暴食のベルゼブブ、ここに」
「これより、第四と第五の晩の儀式に取り掛かる。お前らは秀吉と源次を発見次第、頭と胸を貫け」
2人は元気よく返答すると、闇に溶け込むように消えていった。
後は、適当に歩き回る。いずれ、俺も変わり果てた2人と、使命を遂げた2人に合間見えるだろう。
それにしても、雨は止む気配が無いな。
俺、一応は晴れ男なんだけどな。...いや、待てよ。この世界では雨男なのか? 大きなイベントの時はいつも雨だったような...。
いやいや、そんなことを考えている場合ではなかった。早く、秀吉と源次を見つけてやらねば。
「ローガン様!」
覚えのある声に顔を上げる。そこには、戸惑った様子のルシファーが宙を漂っていた。
「どうした。2人は見つかったのか」
「は、はい。ですが......」
「見つかったのなら頭と胸を貫けと言ったろう? 逃げられでもしたら困るだろうが」
妙にそわそわしている。こういう強気な女を、屈辱的な顔にするのが楽しいんだが、今はとりあえず我慢しよう。
何か、イレギュラーが起こったらしい。
「案内しろ。仕置きはその後だ」
「はっ、はいぃ!」
上擦った声に、思わず口元がにやける。
それを悟られないようにルシファーの後に続く。よし。バレてない。
ルシファーの案内で辿り着いた場所には、血塗れの遺体が転がっていた。
雨のせいか、辺りに血の水溜りを作り出している。既に体は冷たくなっていた。
「来い。ベルゼブブ」
未だに姿を見せないベルゼブブを、半ば強引に召喚する。
慌てた様子で召喚に応じた彼女の口元には食べカスが付いている。サボってやがったな、この野郎......っ。
「これをやったのはお前たちか?」
返答は無い。これをやったのはこいつらではない。...ふむ。
「さあさ、思い出してごらんなさい。貴様がどんな姿をしていたのか。その姿を我が目前に現してごらんなさい」
俺は、2人に呪文を唱える。まだ生きていた頃の姿に戻すためだ。誰にやられたのかを聞くために。
儀式が進んだからか前よりも沢山の黄金の蝶が舞う。
蝶たちは2人を包み込み、やがて、死んでいたことも忘れるようなしっかりとした姿に変わった。
うっすらと瞼を開き、現状に気付いた秀吉が声を上げた。
「な、なんや!?」
「これは...っ」
あの冷静な源次でさえ思わず声を上げた。
まさか、生き返れるなんて思っていなかったのだろう。笑える。
「
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