暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜呪われた魔剣〜
神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.13 獣人たちの王
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ーのあんたにタンクやられちゃ、俺たちに立つ瀬がないからな。後は任せてくれ」

「わかった」

 一言二言、言葉を交わしてキリトが後方に下がってくる。

「今から俺は回復するけど、防御タイミングの指示頼めるか?」

「愚問だな。俺を誰だと思ってる」

「見た目幼女の趣味ビルド剣士」

 刺し殺すぞ。

「でも俺の知ってる中では一番優秀で、優しい奴だ」

「……ったく、調子のいい奴だ」

「頼んだぞ、ルリ」

「頼まれたよ、キリト」

 そしてキリトが回復してる間に、俺はエギル達に指示を出す。エギル達は俺の指示に従って的確なタイミングで防御する。

 攻撃役はアスナとシズクの女性プレイヤーコンビ。いつの間にかアスナはフーデットケープを取り払い、その素顔を惜しげもなく晒していた。

 シズクの方は相も変わらず……うわあ、すげえいい笑顔。

 もちろん攻撃に徹している二人には凄まじい速度で増悪値(ヘイト)が溜まっていくが、エギル達タンカーが随所で《威嚇(ハウル)》というスキルを使ってタゲを取り続けてくれる。

 そして遂に、コボルド王のHPが一割を切った。

 しかもそのタイミングで、コボルド王の攻撃中にシズクの攻撃がクリティカルヒットして、コボルド王は転倒(タンブル)という状態になる。

 回復を終えたキリトが全員に告げる。

「全員――――全力攻撃(フルアタック)!!囲んでいい!」

『おうっ!!!』

『了解!』

 A隊のタンカーたち。アスナとシズク、キリトの、剣士三人。そして後方支援(バックアップ)の俺。

 全員が自分の使える中で最強のソードスキルを繰り出す。

 だが、あとほんの僅か。コボルド王のHPが残った。

 このままだと数秒後には転倒状態が終わり、コボルド王の周りを取り囲んでいるメンバーは全員、先ほどのC隊のように斬り伏せられる。

 絶望的なこの状態で、シズクが跳ぶ。

 あいつはこの状況でもまだ、諦めていないらしい。

 更に追随するようにキリトとアスナも跳ぶ。

 そして三人同時に、俺の名を呼んだ。

「「「ルリ(くん)!!!」」」

「しゃあねえなあ本当に!」

 技後硬直が解けた瞬間に俺はナイフを握り、投擲する。

 転倒状態が終わり、ソードスキルの予備動作(プレモーション)に入ったコボルド王に、ナイフが突き刺さる。

 そして再び、スタンが奴を襲う。

「てい、やっ!」

 まず最初にシズクの《片手剣》スキル二連撃技《サークル・プリズン》がヒットする。

「はあっ!」

 次にアスナの《リニアー》。正確無比な攻撃が、コボルド王を貫く。

 そして、ラスト――――!

「う、らあっ
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