第03話 中年のヒゲ
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‥‥‥お兄ちゃんは‥‥‥‥私が‥‥‥守るから‥‥‥‥‥」
ダダッ!!
ハトは急に立ち上がり走り出した。
「全員構え。殺すなよ‥‥‥‥‥撃て」
ドンッ!ドンドン!ドドン!ドンドンドン!
発射された弾丸がハトに命中した。
ハトはそのまま前に倒れ込んだ。
セキレイは少し遠くに落ちてしまった。
「うぅ‥‥‥‥セキレ‥‥‥お兄‥‥‥‥ちゃん」
ハトは泣きながらセキレイを見た。
セキレイは銃弾を一つも浴びていなかった。
「お兄ちゃんが起きるまで‥‥‥‥‥‥‥‥私が守ってあげるからね」
ハトはセキレイに手を伸ばしながら言った。
「ハッ!ハトッ!!」
ようやくセキレイは意識を取り戻し、立ち上がった。
そして、今に至るのである。
「遅いぞセキレイ!彼女がずっと運んでくれていたんだぞ!!」
ヒゲ中年は叫んだ。
「まさか40分で起きるとはな。並の鎧虫でも数時間は眠ったままの麻酔弾を喰らって
こんなに早く起きてくるとは‥‥‥‥‥‥‥正直舐めてたよ」
足元男はつぶやいた。
「ん??テメェは!!」
セキレイは足元男を見て気付いた。
「数年前、俺が胸ぐら掴んでササッと逃げて行ったあの‥‥‥‥‥‥誰だ?」
セキレイはその時、名前を見ていなかった。
「テメェはどこまで舐めてんだコノヤロー!!」
足元男の胸には銅の金属板が輝いていた。
つまり、こいつはあの時の札付きのワル男である。
「俺の名はサバキ。戦国博士によって付けられた誇らしき名前だ!!」
足元男=札付きのワル男=サバキは叫んだ。
「言われてねぇんだから知るわけねぇだろ!!」
セキレイはツッコんだ。
「俺はここの隊長クラスの権限を手に入れたのさ。今なら
お前をここで射殺する許可も出ている。ぶっ殺してやるぜ!!」
サバキは何というか正直言って気持ち悪い顔をさらに気色悪くさせて叫んだ。
「お前がハトを撃つように言ったのか!?」
パキッ!
セキレイは拳を握るように手の骨を鳴らして訊いた。
「だったらどうなんだ?あぁん!?」
気持ち悪いを超えた気色悪い顔が気味悪く歪んだ。
メンチを切っているのだろうが顔がそれどころじゃない。
セキレイはキレた。キモイ顔にハトを撃たれた怒りに、そして寝ていた自分に。
「テメェらはどうしてこんな小さな子供を撃てるんだ!?」
パキッ!!
セキレイはまた手の骨を鳴らした。
「あんなデカいガキ、化け物と代わりねぇよ!」
サバキは大声で叫んだ。
その言葉にセキレイはキレた。
「ここにいる奴らは全員化け物だろうが!!」
ザワザワザワザワザワザワッ!
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