第03話 中年のヒゲ
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はまた床に飛び込みクロールを始めた。
「待ってよおじさん!!」
ハトも急いでヒゲ中年の背中を追いかけて行った。
**********
「はぁ、はぁ、はぁ、疲れた‥‥‥‥‥‥」
ハトは床にへたり込んだ。セキレイは今だハトに抱かれて熟睡している。
「全く、そろそろ彼には起きてもらいたいものだが‥‥‥‥‥‥‥」
ヒゲ中年は腕を組んだまま言った(すでに解除中)。
「まだ、私たちを探してるのかな?」
ハトはヒゲ中年にげんなりした顔をして訊いた。
「俺達は二人だが、敵は大勢だ。探す体力も追いかける体力もその分少なくすむ。
このまま探されたら厄介だな‥‥‥‥‥‥‥」
ヒゲ中年はため息まじりに答えた。
「私もおじさんぐらいの大きさだったらよかったんだけど‥‥‥‥‥」
ハトが顔をうつむかせてつぶやいた。
「そうだと彼を運ぶのに体力を使うことになる。
そのことを気にする必要はないよ」
ヒゲ中年はハトにそう言い聞かせた。
「セキレイお兄ちゃん‥‥‥‥‥‥早く起きてよぉ」
ハトはセキレイの顔をぐいっと指で突いた。
「無駄だよ。麻酔で眠ってるんだから」
ヒゲ中年は床に座り込んだ。
「こうなったら少しでも休――――――――」
「いたぞ!あそこだーーーーーーッ!!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
二人はまた全速力で軍人たちから逃げて行った。
**********
「もう!どうしてこんなに追われなきゃいけないの!?」
ハトはついに怒った。
「それは俺達が脱走者だからだよ」
ヒゲ中年はハトに軽くツッコんだ。
「私はセキレイお兄ちゃんと外に行きたいだけなのにぃ!」
ハトは頬を大きく膨らませて言った。
「それがダメだから追われてんだよ」
ヒゲ中年は再びツッコんだ。
「そこにいたぞーーーーーーーーーー!!」
また軍人たちが現れた。
「逃げるぞ!!」
ヒゲ中年は床に沈んでからハトに叫んだ。
「うん!!」
ハトが走り出そうとした。その時――――――――
バンッ!
「キャッ!」
ハトの足を銃弾がかすった。傷から少し血が流れていた。
「ハトちゃん!」
ヒゲ中年はハトに泳ぎ寄ろうとしたが
それは軍人によって阻められた。
「全員そのままでいろよ‥‥‥‥‥‥‥」
偉そうにしている男が言った。
よく見たらさっきの足元男だった。
おそらく彼が隊長なのだろうか。
「痛いよ‥‥‥‥セキレイお兄ちゃん‥‥‥‥‥‥‥」
ハトはそれでもセキレイを抱きかかえて守っていた。
「でも‥‥‥大丈夫‥
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