第03話 中年のヒゲ
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、おじさんだぁれ?」
ハトは泣きじゃくりながら中年に訊いた。
「俺か?俺の名は‥‥‥‥‥‥じゃなくて、今なら逃げられるだろお嬢ちゃん!!」
「あ、ホントだ!!」
ハトも軍人たちの動揺に気付いた。
「キミ達どきたまえ!!」
中年は一列に並んだ軍人たちの真ん中に笑いながらのバタフライで向かった。
彼らは何やら気味の悪さを感じたのか、通れるように間を開けた。
中年はそのまま彼らの間を突っ切って行った。
「さぁ、いくぞお嬢ちゃん!!」
中年は大きく手まねきをした。
「うん!」
ハトは立ち上がって軍人たちの間に向かって走り始めた。
全員は撃つのは間に合わないと思ったらしく急いで退避した。
ハトが本気で走ると少し地鳴りがするが、その分とてつもなく速かった。
「私はハト。おじさんはだぁれ?」
ハトは床を泳ぐ中年に訊いた。
「俺は725号だ。君の抱えてるそいつの友達さ」
中年はセキレイの隣の牢屋にいたヒゲ中年だった。
「何でおじさんは床を泳いでるの?」
ヒゲ中年はその質問にすぐに答えた。
「これが俺の″超技術″、″物体潜行《サブマリン》″だ!!
物の中を自由に泳ぐことが出来るのさ!」
ヒゲ中年は彼女に分かりやすいように説明を加えた。
「へぇ〜〜、気持ちいいの?」
ハトは物を泳ぐということに興味があるようだ。
彼女は笑顔で訊いた。
「まぁまぁだな」
ヒゲ中年は背泳ぎをしながら答えた。
「待てーーーーッ!!」
軍人たちが走りながら口々に叫んでいた。
「また追いついてきたぞ!もっとスピードを上げよう!!」
ヒゲ中年はさらに速く泳ぎ始めた。
ハトはさらに走る速度を上げた。
猛烈なスピードでどんどん軍人たちから距離を離して行った。
「何でおじさんは走らずに泳いでるの?」
「それは訊いてはいけないよ!?」
彼女は空気というものが読めなかった。
そのまま二人は逃げて行った。
**********
「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫かな‥‥‥‥‥‥?」
ハトは立ち止まってつぶやいた。
ザバッ
ヒゲ中年はようやく床を上がり床に立ち上がった。
「ふぅ、多分大丈夫だろうね」
彼はカッコつけて言った。
「おじさんは良い人なの?」
ハトはヒゲ中年に輝くような笑顔で訊いた。
「少なくとも、こんなカワイイ子を襲おうとする気は俺にはないよ」
ヒゲ中年も笑顔で答えた。
「いたぞーーーーーッ!!」
一人の軍人に見つかってしまった。
「また見つかっちゃった!」
「逃げるぞ!!」
ザバァン!!
ヒゲ中年
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