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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十七話 漆黒のミラ=マクスウェル
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うに氷の盾で防がれる。そういえばこの頃のセルシウスはジランドの従僕だと聞いた。
ならば。
武器をハンマーに変えて、氷の盾に力一杯打ちつける。
盾が砕けるまでは今まで通り。だが、ハンマーは剣と違って盾を割っても威力は殺せない。
許せよ、セルシウス。
ハンマーでセルシウスの腹を強打した。セルシウスが横に吹き飛ぶ。倒れるまでは行かなかったか。だが、充分だ。
「イバル! エリーゼ!」
呼びかけて、フェイリオの後ろまで下がる。エリーゼとイバルも倣う。
すでにフェイリオは合掌してトランス状態。ジランドは狙いに気づいたが――遅い。
「 ひ か り が と じ て 」
大規模な光の障壁が〈槍〉からジランドたちを遠ざける。
フォースフィールド。フェイリオ最大出力の決戦術式。例えセルシウスであろうが破るまで10分はかかる。それだけあれば充分だ。
「ミラ様……お待たせして大変申し訳ございませんでした。今戒めを解き放ちます」
イバルが円盤を取り出した。円盤が砂時計の形に編み上がる。
幾何学の砂時計が、ゆっくりと、コンソールにセットされた。
死ぬなよ。イバル。
ずん、と頭蓋骨の中身が強制的に吸い出されるような重圧が、襲った。
「ぐあっ!?」
「ふうぅ!」『力が抜けるー!』
ラフォートの夜と同じ…マナを剥がされる感覚…!
これを壊すことを最大の目的にした過去のジュードたちの気持ちがよく分かったよ。確かにこんな兵器は後世に残すべきじゃない。
「ダイジョウブ」
フェイリオ?
「ダイジョウブ。コワくない。ダイジョウブ。コワくない――」
二つの言葉をくり返して自身を抱くフェイリオに、錯乱の色はない。
どうしてだろう。そんなフェイを、抱き締めたくて堪らなくなった。
「っ、パパ」
肩を抱き寄せ、強く握ったフェイリオの手を解かせて手を繋ぐ。
「大丈夫だ」
「うん……っ、知ってる」
フェイリオは私の手を握り返した。
――そうして耐えた時間は数分か、あるいは数時間か。
開いた〈槍〉の砲口から、5つの光球が飛び出した。
球形立体陣は5つ。赤、青、緑、茶の陣の中には四大精霊。そして、4つの陣の中央に浮かぶ、最大級の漆黒の球体陣の中――胎児のように丸まった、金蘭の女。
「ミラ様っ!!」
これ以上ないイバルの歓声。
――ミラ=マクスウェルは解き放たれた。
「イバル、もういい! 〈槍〉を停めろ!」
「ぐ、ぬぬぬぬぬぬ〜っっ……だああああ!?!?」
イバルは起動キーを外した反動でローリングして戻ってきた。エリーゼが慌てて駆け寄る。……戦場に在ってこの緊張感のなさはも
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