【ゼロの使い魔】編
052 暗がりでの躍動
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は──」
才人はジョゼフにそう返す。ジョゼフはサイトの質問返しに瞑目して数秒後口を開く。
「……弟の──シャルルの悔しがる姿が見たかった。……魔法にしろ何にしろ、弟には俺が持てなかったもの何でも持っていた。……しかし、王位∴ネ外はだった…。……シャルルは王位を欲していたはずだった。……が、ついぞシャルルは王位を継いだ俺に皮肉の1つも言いはしなかった。……それだけならまだしも、王位を継ぐか決めあぐねいていた俺にシャルルは後押しすらした! ……だから──」
「だから態々%ナを塗った矢で殺した…と?」
「……ああ」
ジョゼフは才人の言葉に鷹揚に頷く。
「……陛下、オルレアン公の想い≠ェ詰まっていそうな──オルレアン公が普段身に付けていた物品は有りませんか? ……もしそれが有るのならば、陛下の切望が叶えられやもしれません」
「……ここに持っている」
ジョゼフはその指に嵌められているシャルルの遺品らしき指輪を瞑目しながら──シャルルの事を思い出しながら撫でる。……その顔には万感の想いが込められており、ジョゼフの身ならぬ才人には、ジョゼフの想い≠測り知る事は出来ない。
「でしたら話が早い。起きたらこのルーンを唱えてみて下さい。……先に言っておきますが、これは報酬の先払いと云う事に。……“ライター”」
才人はとある*v@のルーンを虚空へと、ジョゼフにも見える様に態々鏡文字にして書く。
……ちなみに“ライター”は“ライト”の応用魔法で、光る文字を虚空に記す事が出来る魔法。……灯り(ライト)≠ニ書くもの(ライター)≠ェ掛かっているが、そこはどうでも蛇足なのは云うまでも無い。
閑話休題。
「……それは…」
「……これは虚無魔法“リコード”のルーン。この魔法でオルレアン公の秘められた想いを覗き見る事が出来るでしょう。……先程の話の合否はまた後日──2〜3日後に伺いましょう。……“腑罪証明”」
才人はジョゼフにスキル名が聞こえない様に小声で“腑罪証明”を行使すると、ジョゼフの精神世界から姿を消した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
某かを呟いていた才人が消えるのを確認したジョゼフは大して眠った気がせず、そのまま現実世界で朝を迎えると同時に現実世界でも意識を覚醒させた。
「……俺の…部屋か…」
とりあえずジョゼフは見知った風景に、人知れず安堵の息を漏らす。……自分の精神世界の風景の事だが、さすがに見渡す限り真っ白というのは些か目に毒だった様だ。
「……“リコード”」
ジョゼフ徐には枕元に置いておいた杖を持ち、夢の中──かの精神世界で会った才人
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