【ゼロの使い魔】編
047 予定に溺れる夏休み その3
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SIDE 平賀 才人
「殿下、こちらが殿下の決済が必要な書類です」
「ありがとう、ヒラガ殿」
一言にウェールズの補佐≠ニ云うものの、ロンディニウムに居る時の仕事はあまりない。書類の仕分けなどの簡単な事務仕事や、アルビオンが擁している竜騎士団の訓練への参加くらいしかない。……逆に、ロンディニウムに居ない時──首都を出る理由はと云うと、専ら公務で城を出るウェールズの護衛やルビオン各地の人手が足りない村や、町への魔獣退治や盗賊──レコン・キスタの残党退治が主な理由である。
……レコン・キスタの所為で村や町の守りがガタガタになり、その苦情が王城まで上がってきていて、それの火消しを俺が手伝っているという事だ。……俺がその仕事を負うことによって、その町や村の町長や村長とのパイプが出来るので後々%ョき易くなる可能性もある。
(あれ≠覚えてくれていたのは助かったか。……恥ずかしくも有ったが…)
あれ>氛沚ナ早自分の中で黒歴史となりつつある、レコン・キスタからの洗脳を解いた時とロイヤル・ソヴリン奪還作戦≠フ時の演説を覚えている人が多かったのは助かった。……そのおかげで龍騎士の訓練の時に、余所者≠フ俺に変な風に絡んでくる人間も居ない。……むしろウェルカムな感じである。
閑話休題。
「ところで、サイト=v
「……なんだい? ウェールズ=v
思考の海でダイビングしていると、ウェールズがいきなり切り出してきた。サイト≠ニ、普段のプライベートな呼び方をしている事から察するに、ウェールズのこれからする話の内容はごく私的な事と当たりを付ける。
「例えば≠フ話だが、僕とアンリエッタ結婚するにはどうすれば良いと思う? ……あっ、冗談半分で考えた事だからそこまで律儀に考えてくれなくても結構だよ」
(おいおい…)
「……例えば>氛氓ヒぇ…? まぁ、簡単に思い付く事程度の事で良いのなら無いこともない。……ゲルマニア・トリステイン同盟≠フ時と一緒の事をすればいいんじゃないか?」
ウェールズの本音が明け透けな質問に、内心で少しだけ呆れながらもウェールズに言われた通り冗談半分で答える。
「ゲルマニア・トリステイン同盟≠ニ同じ事…?」
「そう、要は政略結婚だよ。トリステインに旨味≠ェ生まれるように、財力を含めたアルビオンの国力を成長させるんだ。……それに、同盟さえ結んでしまえば、ガリアとかゲルマニアへの牽制にもなるし、同盟を結んだ後は、後継ぎが生まれて育つまでは2人で両国を治めていくのもアリだし」
だがこれは絵空事…机上の空論──理想論でしかない。ウェールズもそれに気が付いたのか、難しそうな顔をしている。
「……だがサイト、今は─
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