【ゼロの使い魔】編
046 予定に溺れる夏休み その2
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容され難いだろう。……で、そこで妥協案だ」
「……サイトさん、それ≠ヘ?」
「それは見てのお楽しみ…っと。……“□□□□□□□□□”。……っと、完成だ」
サイトは懐からネックレスを取り出し、そのネックレスに何やらボソボソと呟いたかと思えば、それをテファへと渡した。
「即席だけど“フェイス・チェンジ”の魔法を掛けたマジックアイテムだよ。これでティファニアの耳を隠せるはずだ」
「その手が有ったか。……でも、なんでサイトはテファの事といい、お金の事といい、そこまでしてくれるんだい?」
―ああ。これは俺の持論だけど、コミュニケーションツールを持っている生き物は生まれた時から個性≠ェある──まぁ、難しい話をナシに有り体に言ってしまえば、ティファニアはティファニア≠セろ?―
サイトの言った事は正しく盲点だった。……まぁ、よくよく考えてみれば、わざわざスクエアクラスのメイジを動かそうと思ったら、それなりの金が入り用になったはずだ。……耳を隠すマジックアイテム>氛氓サの特殊性からテファの事がバレる可能性も有った。
……だから、どうしてサイトがここまでしてくれるのか──その理由が判らなかった。
「……色々と打算的なところはあるけど、一番はマチルダさんの事が気に入ったからかな」
「……忠告しとくよ。そのキザったらしいセリフの前のところを抜いて女に言うのは止めときな。そうしないと彼女たちに刺されるから。……この女たらしめ」
「……なんでさ」
(ああ、お前は女たらしだよ。……それもどうしようも無いほどのね)
私の揶揄に両の肩を落としながら嘆息しているテファと大して年も変わらない少年を見て、たった今サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ=どうしようも無いほどの女たらし≠ニ云う等式を私の中で不動のものとして成り立てた。
……まぁ尤も、彼女たちからしたらサイトのそんなところも良いのだろう──特にキリクリの娘は。
閑話休題。
「……ありがとう、サイトさん」
テファは嬉しそうにネックレスを身に付け、サイトに礼を言う。
「どういたしまして」
「……私、ずっと憧れていたんです。……フードを被らず──人目を気にせず町に行ける事を…。……耳が短くなって、今の私は本当の私≠カゃないのかもしれないけど本当に嬉しい…っ!」
「ははははは、何、気にする事はない。これからは町中を練り歩けばいいさ」
サイトは何でも無さそうにからからと笑う。……テファはそんなサイトに気を咎めたようで何やら考えているようだ。
「……マチルダ姉さんから貴方が生活を支援してくれている事を聞いてます。……私、支援までしてもらって──サイトさんに返せる物がありませ
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