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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
045 予定に溺れる夏休み その1
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「了解」

マチルダさんと一緒にトリステイン魔法学院を出発する。取立てて急ぐ理由は無いのでアルビオンにラ・ロシェールを経由する正規の<求[トで向かう事に。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ここがウエストウッド村だよ」

「ここが…」

サウスゴータ地方のウエストウッド──更にウエストウッド村に入って直ぐ、マチルダさんが旅の終了を教えてくれる。ハルケギニアに来て何気に初めての飛行船はそれはまた趣があるものだった。……それに、最近は火急の用に追われての行動が何かと多かったりするので、割りとのんびりすることが出来て、ついでとばかりに目減りしていた英気も養えた。

「あー! マチルダ様だー!」

長閑≠ニ云う形容詞を体現しているこの村の雰囲気を堪能していると、ふとハツラツな声。……声の方向に目を遣れば、そこに8〜10歳ほどの少年が居た。

「本当ー?」

「マチルダ姉様だー!」

少年の声に更なる声が連鎖する。……いずれも子供の声だが。

「はいはい、帰って来たよ。とっととテファのところに案内しておくれ」

呼ばれたマチルダさんはマチルダさんで子供達の元気な姿を見れて嬉しかったのか、それはそれは嬉しそうに顔を綻ばせていた。……その口調とは裏腹に…。

(なるほど、マチルダさんの姉御肌な口調は──)

……などと、割りとどうでも良いマチルダさんの姉御肌な口調のルーツについて考えていると、村の子供達も俺の存在に──漸く気が付いたの、こんな事を──予想可能回避不可能な事を宣った。

「……で、そっちのニーチャンはマチルダ様の彼氏(ボーイフレンド)か?」

――ピシィッ

「な、な、なななな──」

何度目だろうか、この──薄氷に皹が入った様な音を聞くのは。……と云うより、先ほどの音を発てた主──マチルダさんのリアクションがらし過ぎる≠フも問題だった。そんないかにも≠ネリアクションをしたりなんかしたら──

「やっぱりマチルダ様の彼氏なんだね!」

……そう言う少女は10歳ほどで、丁度耳年増な頃合いでそうなるのもいたしかた無いのだろう。

「なにを言ってるんだいっ!!? 私がこの女たらし──サイトと? 止してくれ。こいつはサイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ。ただの相棒(パートナー)だよっ」

「「「パートナー≠ヒぇ…?」」」

子供たちの冗句(?)にマチルダさんは顔を赤くしながら俺との関係を、女たらし≠ニ俺を揶揄しながら否定する。……子供たちはマチルダさんを──否、マチルダさんと俺を生暖かな視線で観察してくる。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「貴方がサイトさんですね?」

「……あ、あぁ」

(なん…だと…
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