IF番外 プリヤ編
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イリヤがその体を賭して彼女を変革させてから10年。
彼女はそれでも8年ほど眠っていた。
おそらく融合によるショック状態なのだろう。
その間の成長はほぼ止まっていて、記憶も混濁が見られた。
アインツベルンの城の事は殆ど覚えていないと言っていい。
毎日元気良く小学校に通っている彼女を見ると、イリヤとの違いをまざまざと見せ付けられる。
切嗣とアイリスフィールはあの冬の城に戻ることは無く、冬木に居を構えた。
心機一転と、あの朽ち果てた武家屋敷風の長屋ではなく、普通の一戸建てを新しい住まいにしたようだ。
報復に現れたホムンクルスを返り討ちにする過程で襲ってきたホムンクルスであるセラとリズを家政婦として匿う事になるとは、因果なものだ。
セラとリズに家を任せて切嗣とアイリスフィールは長い間家を開けるようになった。
どこで何をしているのか。しかし、それがイリヤの…家族の為と考えての行動であった。
まぁ、俺達がイリヤの傍に居るのだ。万が一は有り得ないと安心して家を空けているのだろう。
それくらいの信用はしてもらっている。
そして、経緯は省くがあの衛宮士郎も切嗣は連れてきた。
それが運命とでも言うように…
それでも穏やかな生活が続く。
そんな生活が一変したのは冬木の街におかしな魔力反応が現れて少ししてからの事だ。
霊体化していると言っても風呂やトイレなどの、本当のプライベートスペースには立ち入らない。
しかし、それが仇になろうとは…
風呂場での物音の後、イリヤが魔法少女になっていた。
何を言っているのかと思うかもしれないが、本当の事だ。
羽の付いた、いかにもカードを封印するあれのような形をした杖を持ち、ピンクの魔法装束に身を包んだイリヤは見まごう事なき魔法少女だった…
何がどうなって入浴中に魔法少女になる展開があるよ…
で、説明に現れたこの世界の遠坂凛。
どうやら冬木に現れたカードを回収するのに魔法少女…正確には魔術礼装であるカレイドステッキが必要らしい。
このカレイドステッキが意思を持っており、前の持ち主であった凛を見限り、イリヤを魔法少女にしたようだ。
取り上げるのは簡単だ。だが、魔術の世界を知らずに生きてきたイリヤに自衛手段が出来たのだ。むやみに取り上げて良いものだろうか。
守ると言う事と、彼女の行動を尊重しないのは別物だ。真綿で包む様に守る事が良い事だとは思えない。
と考えていたのだが。まさかカード回収の相手が黒化英霊だったなんて、予想外だ。
いや、黒化サーヴァントと言った方が近いかもしれない。
ただの魔術師ならば…今のイリヤから魔力供給の無い俺でも遅れは取らないだろう…しかし…
凛と共
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