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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
038 赤≠ニ白≠チて普通は目出度いはず… その1
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に戻る方法も判らなかったし、そろそろ自害しようと思っていた頃、またもや現れた神≠ニやらから平賀 才人──君の話を聞いた」

(……っ!)

ヴァーリから濃密な魔力の波動を叩きつけられる。殺気では無い。……が、ただの波動でも指向性を持たせて密度を上げたそれは、最早殺気に近しいものになると身を以て学習した。

「……へぇ、これを受け流すか。少なくとも動けなくなると思ったんだが。どうやら赤龍帝だけあって、中々の強者の様だ」

(ドライグとの特訓が無かったら、呑まれてたな。確実に)

内心、特訓を付けてくれたドライグに感謝している俺をよそに、ギィ、と先程とは違う風に顔を歪めるヴァーリ。

「……そいつは重畳。……でだ、お前は一体何がしたいんだ? ヴァーリ」

「俺は強い奴と闘いたい。……無論、そのカテゴリーに君も入っているよ。平賀 才人」

(……ですよねー)

ヴァーリからひしひしと感じられる闘る気≠ノ自分も呼応していて、いかに歴代所有者の怨念を消そうが、自分も≪赤龍帝≫である事を認識した。

「ふっ…どうやら君もやる気になったようだね。……それにしても君も人が悪い。こんな凄い覇気を隠しているなんてね。……いくぞっ!」

「っ!?」

魔法力と氣を合成させ咸卦の氣を練っていると、ヴァーリは“白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)”を展開して猛スピード突っ込んで来た。

(速いな。……だが読める≠シ)

ヴァーリの次の動きを見聞色≠ナ察知し、サブの思考にてそんな事をボヤきつつも、俺の顔を目掛けて拳を振りかぶり突っ込んで来るヴァーリにさも慌てず、右足を半歩より気持ち大きめに後ろへと退げ、ヴァーリの腹部が来るであろう箇所に左手をまるでつっかえ棒の様にして置く。

「かはっ……!」

「“退歩掌破”」

“退歩掌破”。歴代所有者の1人が使っていた技で、足を後ろに退げ、手を相手に対して向ける。……先にも軽く触れた通り、要は突っ込んで来た相手に対して自分をつっかえ棒にする──早い話が、相手の力を利用するタイプのカウンター技である。

そのカウンター技を喰らったヴァーリは身体を[く]の字に曲げながら、後方──ヴァーリからして後方へと吹っ飛んだ。

「はぁ…はぁ…、カウンター技か。……どうやら俺は、まだ君の事を侮っていたらしい。……だが、“赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)”も出さず迂闊に白龍皇──俺に触れたのは失敗だったな」

『Divide!』

≪白龍皇≫の半減≠フ力。俺の力が半減され、その半減された力の半分がヴァーリに行く。

「……平賀 才人、何をした?」

……はずだった──はずだったはずだ。少なくともヴァーリからした
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