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藤村士郎が征く
第22話 士郎、編入1日目 早速因縁を突き付けられる
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 「ふむぅ」
 「ン―――――」

 それに対して2人は、特に怒った様子も無く、ちらっと一子に注視する。
 そんな仕草に一子は、今も直口をあわあわと動かしながら涙ながらに謝る。

 「じいちゃん、ルー師範代。黙っていて、本当にごめんなさい!」

 その事に2人は何故か笑顔になった。

 「――――一子よ。儂らは別に怒ってなどおらんぞい。のぉ、ルー」
 「ハイ!寧ろ一子が何か隠しているは知っていましたからネ。疚しい事を一子がする訳がないと信じていたからこそ。一子から言うまで黙っていたんだヨ?」

 2人の許しの言葉に更に涙が押し寄せてくる一子。

 「じいちゃん・・・!師範代・・・!」
 「そら一子よ!涙を拭かんかい。可愛い顔が台無しじゃぞ?」

 一子を抱き寄せながら、あやす鉄心。
 そんな2人を見て士郎へ向くルー・リー。

 「それでは、士郎君!これからも一子の事、頼んだヨ?」

 目の前のこの青年、藤村士郎になら任せられると踏んだルーは、真剣な眼差しで頼んだ。
 だが――――。

 「――――いえ、お断りします!」
 「ハ?」
 「ホ?」
 「ヘ?」

 士郎の返事があまりに意外だったため、鉄心と一子までポカンとした表情のまま虚を突かれていた。

 「ど、如何いう事じゃ?」
 「別にお断りと言うワケではありませんよ?一子の事は、これからも3人で頑張って応援しましょうよ!と言う事です」

 そんな士郎の言葉に、何と頼もしい青年かと笑顔になる鉄心とルー(2人)
 そして一子は、自分は十分過ぎるほど恵まれているなと再確認するのであった。
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