第六章 正義の在り処編
第百九十六話 『ある男達の覚悟、決戦前夜』
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『おぉっ……ジグルドッ。……はは、すまねぇな……お前に、重いモンを、背負わせちまうな……ハァ、ハァ、あ、後を頼むぞ……最高評議会の奴らをぶちのめして、管理局の中を変えろ。そして、ロボを……ロボを、一人前の男に、してやってくれ……』
『あぁ、わかってる。すでに次元犯罪者であるヴィクトールのアジトを特定した。奴が捕まるのは時間の問題だ』
ジグルドはそう言うが、本当は嘘であった。
ジョンが心残りにしている心配を少しでも消す為にジグルドはワザと嘘を言ったのだ。
それを聞いてジョンは安心した表情になり、
『はははっ、目に浮かぶぜ……だが、侮るな……奴は頭が切れる。そうなるのも想定してるはず、だ……』
『大丈夫だ。すでに奴の逃走ルートに部下たちを配置させている。今頃は奴も捕縛されている!』
それを聞いてジョンは今度こそ安心した顔になり、
『さすがジグルドだな……ははっ……ゴホッゴホッ』
大きく咳き込み血を吐くジョン。
ジグルドはもうジョンの命が残りわずかであると悟ったのだろう。
焦りの表情を見せる。
『ジョン! 五分だ、五分待ってろ! 今すぐヴィクトールを連れて、お前の前にひれ伏せさせてやる!!』
『五分だと……? バカヤロウッ……五分も、待てる、か……』
それでジョンの顔色がさらに悪くなり、
『ジョンさん!!』
『しっかりして下さい!!』
『ジョン死ぬな! 約束したはずだ! 絶対死なないと!!』
凰華が、ウィルソンが、ジグルドが必死に呼びかけを続ける。
『悪いな、俺は、待つのは……昔から、嫌いなんだよ……しかたねぇ、あの世に逝った、女房に、謝りに、いく、と、する、か………』
そう言い残し、ジョンは動かなくなって静かに目を閉じて、そして逝った………。
それが分かったのだろう、凰華もウィルソンも涙目で顔を伏せる。
『ジョォォォォンッッ!!』
ジグルドの悲痛な叫びがその場に響いたのであった。
そしてその後、ジグルドはジョンのデバイスである『ブランカ』を丁寧に預かり、ジョンを含む数名の遺体を速やかに埋葬した。
そしてヴィクトール含むテロリスト達をを全隊員でくまなく捜査してようやく捕まえてこうしてミッドチルダに侵攻しようと企んでいたヴィクトールの野望は潰えてジグルドはこうして『ミッドチルダの正義の象徴』と言われるようになった。
しかし、ジグルドはまだ最高評議会の陰謀を暴いていないためにあることをジョンに誓った。
『ジョン………必ずお前の無念は晴らす。最高評議会の野望は私が潰す! この手にかけて!!』
そう、誓ったのだ。
しかし、最高評議会の闇は深く、なかなか尻尾を掴めなかった。
そうして時だけがだらだらと過ぎていって、スカリエッティが事を起こし、ゼストの手
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