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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百九十六話  『ある男達の覚悟、決戦前夜』
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ものは存在せず、結局残ったのは昔からヴィクトールに付いてきた直属の部下三十人弱のみとなった。
これに怒りを覚えたヴィクトールはジョンに向かって何度も殴り続けた。

『こ、コノヤロー!! 起きろコノヤロー! まだくたばるには早いんだよ! もっと、もっと痛い目に合わせなきゃ割に合わないんだよ!!』

そう叫ぶヴィクトールだが、ヴィクトールの部下達はジョンの状態に気づき、止めに入った。

『ぼ、ボス……っ!』
『やめてくださいっ……ソイツ、もう死んでます』
『何?』
『死んでます……』
『ーーっっ!! ちっ!! つまらねぇ!! さっさと引き揚げるぞ野郎ども!』
『はい!!』
『で、でもボス、ジグルドの奴はいいんですか?』
『知るか! あんな死に損ない! 興味が失せたわ!』

そう言うヴィクトールだが、実際はいつジョンの援軍が来るか分からないため早く撤退したかったのだ。
ジョンのおかげでヴィクトールの兵隊が半分以上が逃げ出したのは良い事なのだが、その代償はあまりにも大きすぎた……。







そしてしばらくして回復魔法をしてまず凰華達部下がジョンを助けに向かった。
だがすでにそこにはヴィクトール達の姿はなくボロボロになって死んでいるジョン、レフティー、ロッシ、トミーの姿があった。

『ジョンさん! みんな!! そんな………』

凰華が悲痛の声をあげる。
だがそんな時だった。

『うっ……おぉ、その声は……凰華か……』
『ジョンさんッ!? まだ、生きていられたんですね!』

ジョンだけはなんとか凰華の声に反応して息を吹き返したのだ。

『ブリューナク、隊の……ハァ、ハァ、奴らは……どうなった?』
『ブリューナク隊はジョンさんにレフティー、ロッシ、トミーが逃がしてくれたおかげで残りの者は全員無事です!』
『そ、そうか。凰華、聞け……最高評議会の奴らは、ゼィ……ゼィ……何か、とんでもない事を、企んでる……ハァ、ハァ……その、何かは、まだ、わからん………だが、やばい事は、間違い……無い……』

ジョンは近い未来に最高評議会が何かをしでかすことを予想しての言葉なのだろう。
しかしもう自身の命が燃え尽きようとしていたのを悟ったのだ。
だからこれだけは伝えた。

『じ、ジグルドは、何処だ? アイツにも伝えなければ……!』

ジョンは必死にジグルドの名を呼んだ。
それに凰華は「大丈夫です」と言って、

『ジグルド隊長にはすでに通信で伝えています。隊長はすぐにこちらに来ます』
『そ、そうか……』

しばらくしてまだ負傷から治っていない体で、しかし急いでジグルドはジョンのもとへとやってきた。

『ジョンッ! しっかりしろ! ジョン! この程度でくたばるお前ではないだろ!』
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