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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百九十六話  『ある男達の覚悟、決戦前夜』
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も小賢しい!』
『ヴィクトール……お前に言っておくことがある……』
『何……?』
『お前はいずれ、俺達を敵に回したことを後悔することになるだろう……俺の、仲間によってな……っ!』
『やかましいっ!!』

動けないジョンをいたぶる音が続いた。

『グッ!! グハァァッ!!』
『さぁ泣け! “助けてくれ”と叫んでみろ! そうすりゃ早く楽にしてやるぞ!!』
『だれが……誰が、貴様のような下等生物ごときに……願い下げだ……ッ!』
『きっ、貴様ぁぁぁぁぁぁっ!!!』

怒りで頭に血が上ったヴィクトールは近くに壁から突き出た鉄パイプに向けてジョンを押し付け、彼の脇腹に深く刺した。
そこにジョンの悲鳴はなかったが、

『はぁっ……はぁっ!』

パイプで脇腹を刺され、磔状態にされていた。

『はぁーーっはっはっはっはっ! 死に損ないの串刺し一丁上がりだ! ほれ泣け! 悲鳴上げろ!! はーはっはっはっ!!』

それを通信越しで聞いていたジグルドや凰華たちは悔しくてたまらなかった。
ジョンを傷つけるヴィクトール達が、助けることが出来ない自分自身が悔しくてたまらなかった。
そんな中、ジョンの頭の中に“諦める”という言葉は無かった。

『ぐううううっ! ぬぅうおおあああああぁぁっっ!!!』
『なっ!? こいつ! 自分からパイプを……!!』
『ヴィクトール……っ! 最期が誰もかれも泣き叫ぶと思ったら大間違いだ!』

フラフラに、だが確実にジョンはヴィクトールに近づき、足を踏み出した。
ヴィクトール本人は無意識に後ろに下がっていた。
ヴィクトールはこの瞬間ジョンを恐れた証拠だった。
ジョンは刺さったパイプを無理やり抜き取り、ヴィクトールを睨み付けた。
その眼光はまさに獲物に狙いをつける“狼”そのものだった。

『俺のっ……心に宿る正義の魂は、例えこの身体を失っても……再び俺の、俺たちの次の世代に宿る! 貴様の様な小悪党ごときに、滅ぼされることはない!』

そういってジョンは持っていたパイプをヴィクトールに投げつけた。
普通なら避けられるスピードだったにも関わらずヴィクトールは動けなかった。
その結果、

『ガッ……!』

ヴィクトールの左頬を掠め、鮮血が舞った。
そしてヴィクトールの部下達はジョンの圧倒的な迫力に呑まれ、完全に戦意を喪失していた。

『ひっ、ひぃ!!』
『こいつ、化け物だーーー!』
『に、逃げろ!』
『こんな奴を相手に出来るか! 俺は抜ける!!』
『俺もだ!!』
『あっ! 待てテメェ等!!』

ヴィクトールが待てと命令するが彼らは全く聞かなかった。
所詮彼らはヴィクトールが金や脅しだけで集められた寄せ集め。
従う義務があっても義理が無い彼らにもはや統率という
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