第六章 正義の在り処編
第百九十六話 『ある男達の覚悟、決戦前夜』
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隊長と共に戦えて…光栄です……俺達、最期はブリューナクの戦士として戦い、死ぬことを……願ってました』
『な!?』
『願いが叶い、思い残すことは…ありません。ありがとうございます……』
『何を言うか! あきらめるな!!』
『す、すみません…』
『俺らには、これが…限界…です。じょ、ジョンふく』
―――ダァン! ダァン!―――
『!!』
ジョンに自分達の思いを伝えようとしたロッシとトミーは突然敵の銃撃を受け、即死した。
『ロッシ! トミー!!』
『ほほぅ、美しいな、死に花談義か……バカが! 喋る暇があるなら敵に噛み付くんだよ!』
『おっ…お前は……っ!?』
顔に2本の横傷を持つ男の名はヴィクトール……今回の事件の首謀者であり、ティーダ・ランスターのかつての上司。
ジグルドとジョンにティーダの一件で退職させれたことで逆恨みし、このミッドを壊滅することを企む男。
そうしてるとあろうことかヴィクトールはトミーの遺体を汚れた靴で踏みにじり始めた。
『で? こんな死にぞこないはいいとして、ジグルドはどこだ?』
『おのれーーっ! 仏になんてことを! 貴様が汚い足で踏んでいるのは誰かわかっているのか!!』
『そんなことよりジグルドはどうしたよ? 奴は裏社会の間じゃぁ、首だけで高い金で買い取ってくれる奴がいるんだ。それにジョン、貴様には随分世話になったからな。そのプライド、ズタズタに引き裂いてやるっ』
『はっ! テメェの思い通りにはくたばらんぜっ! それにティーダもな、テメェの様な腰抜けで醜いアホ面は気に食わないってよ!!』
『………気にイラネェ! やれ野郎ども!! なぶり殺しにしてやれぇ!!』
ジョンとヴィクトールたちの激しい戦いが続いている最中、凰華たちが通信でジョンに連絡を入れていた。
『ジョンさん! 聞こえますかジョンさん! 私達ももう少しでそちらに着きます! だからジョンさんもがんばってくだ――……』
『来るな!!』
『!?』
凰華の通信にジョンは叫んだ。
それに凰華は驚く。
『来るなよっ誰も来てはならん! この世には俺の命よりもっと重いものがある! 耐えろ! 耐えてくれーーっ!! お前らには明日がある! 明日を造るためにその命とっておけーっ』
『ジョンさん……』
ジョンは悟ったのだ。
自分はもう助からないと……だから彼は死にかけの自分のために仲間が来ることを拒んだのだ。
そして……、
『どうだジョン、わかったか? これがホワイトデビルのヴィクトールだっ! お前が唯一越えられん男だっ! 泣け! そして命乞いしろ!』
『ゼイ…ゼイ……己の身が可愛くて泣く男なんぞ、ブリューナクの戦士には一人もおらんぜ……』
『ちっ! どこまで
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