第六章 正義の在り処編
第百九十六話 『ある男達の覚悟、決戦前夜』
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だ。
だが、それはジグルドたちを誘い出すための囮だったと気付いた時には既に遅く、六人の部下が襲われた。うち三人は即死。残りの三人も既に虫の息だった。
ジグルド自身も至近距離から敵の自爆に巻き込まれ、重傷を負った。
そこから更に追い打ちをかけるように暗闇の奥から八十人以上のテロリストたちがやってくる気配を感じた。
ジョンはすぐに凰華と生き残った部下たちにこう命じた。
『ジグルドを連れて撤退しろっ! 殿は俺がやる』と。
だが無謀すぎた。
いつものジョンなら問題なかったのだがジョンもジグルドと同じく重傷を負っていた。
そんなことをすればどうなるか目に見えていた。
ジグルドはジョンに『そんなことはやめろ』と止めたがジョンは止まらなかった。
ジグルドは親友のジョンを見捨てるくらいなら、せめて自身も共に地獄に行く覚悟だった。
だがジョンはこう言った。
『馬鹿言ってんじゃねぇ! お前の命はお前だけのモノじゃない! お前を慕う部下達の命も預かっている! だからこんなところであきらめるな!』
そう、ジョンはジグルドに言った。
そして、
『ジョンッ! すぐに援軍を呼んでくるから待っていろ!』
それでジグルドは悔しそうに、だがジョンの言う通りに撤退をした。
しかしこの時、動かない男たちがいた。ジョンの直属の部下であるレフティー、ロッシ、トミーの3人だった。
『どうした? お前たちも早く行け』
『いえ……俺たちも、ジョン副隊長と残らせてください!』
『分かって言ってるのか? 俺は逃げん! 覚悟は出来ているのか?』
『勿論です!』
『……ふっ! お前らのようなバカヤロウに会えて嬉しいぜ!』
そうジョン達4人の覚悟が決まったとき、
『いたぞぉっ! 逃げられないと思って観念しやがったなっ!』
ヴィクトールの部下八十人が一斉に襲いかかってきた。
『いけぇぇ! 野郎どもっ! ぶっ殺せ!!』
ボロボロになったジョン達4人が立ち上がり構えた。
『いいな皆っ! 悔いの無い、男の生き様……見せてやろうぞ!』
『応っ!!!』
『行くぞ!!』
『うおおおおぉぉぉぉっっ!!!!!』
そこからジョン達4人とヴィクトールの部下達八十人の激しい戦いが始まった。
普通ならこの圧倒的な人数差で飲み込まれて終わるはずだった……そう、普通なら。
『うおおおおおおおぉぉぉぉっっ!!!!』
此処に居るのは深手の重傷だが多くの次元犯罪者から恐れられたジョンという名の“狼”が躍り掛かっているのだ。
彼の怒りの攻撃は敵はおろか部下のレフティー、ロッシ、トミーの三人をも震え上がらせた。
この先制攻撃が効いたのかジョンの攻撃で十人以上が戦闘が不可能になり、残りの半分がジョンの気迫に呑ま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ