第12話 罪を共に
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とあなたの間には、田中くんが居たのよ。彼が居なきゃ、あなたと二度話す事があったか……私には自信が無いわ」
繋がり……小倉はその言葉を反芻した。繋がり、か。確かに、自分と高田の関係は、そういう曖昧な言葉が似合うだろう。どういう繋がりかは、イマイチ答えが出ない。二人の距離は必ずしも近くはない。しかし、繋がり、それが無いわけではない。
「小倉くん、これを……」
「ん?」
高田は小倉に、小さな紙袋を手渡してきた。小倉はキョトンとしながら、中を確認した。中に入っていたのは、スマホ用のストラップ。イルカをかたどった、可愛すぎないデザインのものだった。
「お前、これ……」
「今日、誕生日だったでしょ?」
高田は、表情一つ変わらない。いつも通りの無表情だ。しかし、その無表情の、小倉真っ直ぐ見据えていた視線が、ふいっと背けられた。
「……おめでとう」
「あ、ああ……」
その言葉を発するまでに、高田は少し間を要したし、小倉もマトモな返事を返せなかった。高田はいつも唐突である。あの時も、今回も。何でいきなり、親も無視する自分の誕生日を、高田に祝われるのか。小倉はまた、嬉しさよりも戸惑いが先に来た。そんな小倉の戸惑った顔から逃げるように、高田は「それじゃあね」とだけ言い残して、足早にその場を去っていった。
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《やぁ、幾日かぶりだねぇ!誕生日おめでとう、謙之介!》
「…………」
小倉が自室に帰ると、タイミングよくパソコンが(何も触っていないのにも関わらず勝手に)起動し、画面には毒々しいハートマークが大写しになって、やたらと元気そうな田中の声が聞こえてきた。不意を突かれてビックリした小倉は、事に気付いてため息をつきながらデスクの前に腰掛けた。
「……お前、あれから本当に公安が俺の家来たぞ……お前の言ってた事、マジだったのかよ……」
《えぇー?マジだと思ったから信じたんじゃないの?》
「嘘だった方がよっぽど幸せだったわ、ボケ!一体何をやらかしやがった!?俺自身も、お前なんかとつるんでる事がバレやしないか、肝冷やしてんだぞ!」
《大丈夫だよー。そもそも、ヘマこいてたら、俺は呑気にこんな電話かけられてないよ。バレてないんだ、今のところ。俺も、謙之介もね》
逃亡生活を続けている身とは思えないほど、田中の声はいつも通りだった。もしかしたら、以前もこんな状況はあって、逃避行には慣れているのかもしれない。だから、こんなしょうもないホットラインを小倉に繋げる余裕があるのだろう。前回、小倉は一応、共犯者となったが、そもそも小倉の家との間にホットラインなど繋いでなければ、偽情報を流す必要は
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