異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日の@
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ら聞くかぎり、彼――結城浩一郎氏はもっと厳格な性格だったような気が……。
「えーっと……浩一郎さんで合ってます?」
一応確認をしてみる清文。するとアスナの兄を名乗る青年は、驚くべき答えを口にした。
「いんや。皆その反応するから飽きてきたな……俺は兄貴じゃないぜ? 俺は結城修也。SAO時代はシュウって名乗ってた」
少なくとも――――清文が知っている限りでは、アスナには兄は一人しかいない。つまり彼は、『清文達の世界』には存在しなかった人間。
つまり、パラレルワールドの人間ということなのだ。
困惑冷めやらぬ清文と琥珀。それにさらに追い討ちをかけるように、次なる驚愕が姿を現した。
「ここで合?」
「多分その筈だと思うんだけど……あ、そうだよ。書いてあるし」
聞き覚えのない声と、聞き覚えのある声。からからからと背後の入り口の引き戸をあけて、発声者とおぼしき二人の人間が入ってきた。
「へいらっしゃーい……ってキリトじゃねえか!」
シュウが叫ぶ。振り返って彼らの顔を確認すると、たしかに片方は黒髪の少年。清文達もよく知っている、《黒の剣士》キリトこと桐ケ谷和人だ。清文が知っている彼よりも少々大人っぽく見えるが……。
だが、彼は困惑した表情をとり、呟く。
「え、誰? なんで俺のこと知って……? SAOサバイバー、なんだろうけど」
「……Oh,MyGod……仮にも親友だとおもってたんだがな……ってそれよりも誰だよそっちのお嬢さんは」
シュウが話の論点をずらす。そこで清文達も、キリトが連れてきているのがアスナでは無いことに気がついた。
それは、ひどく美しい少女だった。ガラスで出来た剣の様に、美しさと儚さが両立した、金髪翡翠目の少女。
さきほど一度だけ聞いた、語尾がぶつ切りのセリフと合間って、アスナとは似ても似つかぬ人物であることを感じさせた。
シュウの問いかけを聞いたキリトは、うん? と首をかしげつつ答える。
「SAO時代の俺を知ってるならあんたも知ってるだろ? ミヤビ……俺の恋人だよ」
「和人……その紹介の仕方止。恥ずかしいよ……」
「良いじゃん。事実なんだし」
――――アスナ以外の人間とキリトがくっついてる!?
――――しかもSっ気増しだと……!?
内心で叫ぶ清文。
――――誰だコイツは。俺の知ってるキリトじゃない!
そしてキリトの言葉にもっとも強く反応したのは、他ならぬシュウだった。
口から謎の煙を吐き出し、絶叫する。
「恋人だぁ……? テメエ……ウチの妹と二股かけてやがるってのか!
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