異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日の@
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ず吹き出してしまった。
「な……な……」
「あれ、違った? だとしたらおめでとうと言っておこう」
生娘の様に真っ赤になった清文に、意地悪く笑いかける陰斗。
「いや、違わないけど……な、何でわかって……」
「セモンの甲斐性無し具合からすればとーぜんだと思ってね」
――――余計なお世話だッ!!
思わず叫びかけた清文であった。
もう一度見た旅館の無料チケットには、『旅館チョークパレス』という、何とも言いがたい…しかし何処か聞き覚えがあるような…旅館の名前が書いてあった。
***
閑話休題。
「へぇ……ここがそうなの?」
「ああ。陰斗にもらった地図が間違ってなければな……あいつ地理音痴だからなぁ……大丈夫かなぁ……」
「周りに他の旅館は無いわけだし、大丈夫なんじゃないの?」
「う〜ん……」
例の旅館へと、栗原清文とその恋人の杉浦琥珀はやって来ていた。
辺りは一面雪野原。その中に建つ、一軒の旅館。
和風な中にも洋風が混じった、ひどく巨大で、古いように見えて新しい、しかしやっぱり古いような……そんな奇妙な旅館である。
――――○○であって××でない……?
何処かで感じたような雰囲気だ。旅館の名前と合わせて、どうにも既知を感じずにはいられない。
何だったか――――と、清文が考えていると、
「とにかく、入りましょ! 私、ずっと楽しみだったんだから!」
琥珀が満面の笑みで振り向いた。
「お、おう」
それを見て、自然と熱くなる頬。
――――これだけでも、来た甲斐があったな。
そう思いつつ、清文は琥珀の後を追い、旅館の入口を潜った。
応接間は、片田舎の旅館に良くありそうなオーソドックスなつくりをしていた。
外見と同じように年期の入ったようにみえて新しくも思える板張りの床。
掛け軸には『ちょーくぱれす』という、旅館の名前が、如何んともし難く妙な達筆で書かれている。
それよりも何よりも、清文が驚愕したのは――――
「へいらっしゃーい……ってまた二人連れかよ。なんともsweetでcrazyな展開だなおい?」
突然、チャラチャラした口調と共に現れた、栗色の髪の青年従業員だった。赤と黒を基調とした、奇妙な法被を身に付けている。
その顔が、何となく誰かににている気がして。
「……アスナ?」
琥珀が、その人物の名を口にした。
「おおっ、お前らもウチの妹知ってんのか? ってことはSAOサバイバーか!」
「「い、妹……!?」」
アスナこと結城明日奈に兄がいるのは知っていた。だがキリトか
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