第02話 隻眼のハト
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浮かび上がっていた。
「あぁ、おれのもう一つの″超技術″だ」
「″おーばーすきる″?」
彼女は博士にほとんどの事を教えられていないので、この事も知らないのだろう。
「そんな事より早く逃げるぞ。お前は的がデカいから
次に狙われたらさすがに守りきれねぇからな」
セキレイはこのような動きにくい状態に慣れているので
平然とハトの身体を持って、向こうの部屋へと逃げて行った。
ドサドサッ
「うおあッ!?」
全員は硬い床に不自然な体勢で落下した。
隊長はすぐに立ち上がり、あたりを見回したがすでに二人の姿はなかった。
「‥‥‥‥‥‥能力にはある程度の範囲があるようだな」
隊長はサングラスをかけなおしながらつぶやいた。
**********
「ふーーーッ、ここまで来れば大丈夫だろ」
セキレイとハトは物置部屋に逃げ込んでいた。
「外は私たちを探してるみたいだね」
頑丈そうな扉の向こうでは騒ぎ声がこちらに聞こえるほど響いていた。
「そりゃそうだ。オレがマシンを全部ブッ壊したからな。
‥‥‥‥‥修理代でも請求されるのか?」
「怒られると思うよ」
そんな感じで普通に会話をしていると
セキレイはハトの前との違いに気付いた。
「そういえばハト、お前何で片目つぶったままなんだ?」
ハトはサッとつぶったままの左目を手で隠した。
何か言いたくない理由でもあるのだろうか?
「えっとね‥‥‥‥あのね‥‥‥こっちの目はね‥‥‥‥‥‥‥‥‥ないの」
「‥‥‥‥‥‥‥はぁッ!?」
セキレイは声を上げた。
「博士が私の目、手術でとっちゃったの」
そんな事を言いながら、ハトはあんまり悲しそうな顔をしていない。
「お前そんなことされたのに大丈夫なのかよ?」
セキレイはハトに訊いた。
「だって、セキレイお兄ちゃんに会えたから」
セキレイはそれを聞いて呆然とした。
「私ね、目の手術を受けた後、怖くなってお部屋から逃げ出したの。
そしたら、セキレイお兄ちゃんと曲がり角でぶつかったの。
ずーーーーっと会えなかったセキレイお兄ちゃんに会えたから
私、とっても嬉しかったの!だからもういいの!」
ハトは必死に自分の考えを語った。
セキレイはまだ呆然としていた。そして、少し笑った。
「‥‥‥‥‥ハハッ‥‥‥‥‥‥お前は優しいヤツだな」
「そうかな?フフフフフ」
二人は笑顔で小さな声でしばらく笑い続けた。
「さすがに疲れたからおれはここで少し休ませてもらうぜ」
セキレイは床に寝転んだ。
「あ、だったら‥‥‥‥」
「ん?お、おい‥‥‥‥‥」
ハトはセキレイをゆっ
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