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D.C.V〜ダカーポV〜 己の守る物の為に
第一章 桜の秘密
プロローグ 始まりは記憶の中にて
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ゆっくり景色が動いている。俺が歩いているわけではない。では何故景色が動いているのだろうか?
その答えはすぐに判明した。足元を見ると床がエスカレーターになっており、ゆっくりとうごいていた。
これは勿論電動ではない。聞いた人間が精神科を勧めるかもしれないが、これは魔法で動いている。
そして目の前には海と見間違うほどの大きさもある湖ー地底湖が広がっており、そしてポツポツと島のようなものが見える。
これが俺達がこれから過ごし、学ぶ場所。いつかは魔法使い社会で最も影響力を持つことになる学び舎の園だ。
俺はここに友人とそして俺の恋する相手と共に俺らを呼んだ人物に会いに行った。
ー高秀、ねえ高秀ってば。
急に頭の中に想い人の声が聞こえてきた。
「ジル、あんまり揺らすなよ。酔うだろが」
ーそんなこと言ってる場合じゃないってば、立夏が怒ってるから起きてよ。夢見てる場合じゃないよ。
夢?そうかこれは前世の記憶の夢か。
そんなことを考えていると頭を衝撃が襲い、俺は意識は覚醒した。
目を開けるとそこには俺を見るジル(恋人)の顔があった。
「……ジル?もしかして俺、寝てた?」
俺の質問に時流は頷く。
今俺を心配そうな目で見ていたのは俺のクラスメイトであり恋人でもある愛川ジルだ。
俺とジルは前世でも恋人でもあり、夫婦でもあった。そのためコイツのベタ惚れさは半端無い。
共通の親友が『見てるだけで砂糖をドバドバ吐きそう』と答える程だ。
ジルと逢ったのは小学生の時だ。そして偶然なのか2人して前世の記憶を持っていて、今に至るわけだ。
「えっと……ここは…………新聞部部室?」
そこに俺のように寝ていた男子の声が聞こえてきた。
「ご名答〜。お目覚めの気分はどうかしら。芳乃清隆君、藤堂高秀君?」
「「うっ」」
そこへ部室の黒板側から冷静だが棘を含んだ言葉を投げかけられ、状況を飲み込む。
今は放課後で場所は『公式新聞部』の部室。卒業パーティー号の編集会議の真っ最中で、俺は不覚にも清隆と一緒に見事に居眠りしてしまったようだ。
「私の話の途中で居眠りするなんて随分といい度胸じゃない。言い訳ぐらいなら聞くけど?」
その声の方を向くと、顔は笑っているが目が笑っていない人物ー俺達の所属する『公式新聞部』の部長であり、俺やジルの所属している生徒会の一員である、森園立夏が立っていた。
金糸のような金髪、大きめのサファイアブルーの目、スッと通った鼻筋にそれなりのボリュームのありそうな胸。さらにスラッとした脚。抜群のプロポーションに明るく行動的で人懐っこい性格、誰とでも分け隔てなく接する態度も相まって人気があり、学園のアイドルと言われている。
「「いえ、ありません。すいません立夏(さん)」」
彼女の問いに俺達は反論する要素もないので素直に謝る。

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