空白期 第21話 「ユーリとお出かけ その3」
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な顔もしているし。でも性格的に言えば、ユーリの知る人物に似てるんだけどな。
「大丈夫だよ。あの子はああ見えて根は優しい子だから」
「そうなんですか?」
「うん。ディアーチェみたいな感じだよ」
ディアーチェという言葉が効いたのか、ユーリの顔は一気に明るくなった。気持ちに変化もあったようで、俺の背中から出るとバニングスの元に近づいていく。
急なことにバニングスは戸惑いの表情を見せたものの、マイペースなユーリは気にしていない。ユーリは彼女の手を握りながら上目遣いで話しかける。
「あの、すみませんでした!」
「え、えぇ……いや、あたしも悪いから」
「お名前を伺ってもよろしいですか?」
「ア、アリサ……アリサ・バニングスよ」
「アリサさんですね」
ユーリがにこりと微笑んだ瞬間、バニングスのハートが射抜かれたようなエフェクトが見えた気がした。何というか、今の彼女の内心では「何なのよこの可愛い生き物は!?」のような感情がありそうに思える。抱き締めたいとまで思っているのか、手が妙な動きを見せているのが良い証拠だろう。
「えっと、そちらは……」
「月村すずかです。よろしくね、ユーリちゃん」
「はい、よろしくお願いします」
月村の穏やかな笑みに安心感を覚えたのか、何も警戒せずにユーリは近づいていった。それを見たバニングスは名残惜しそうに手を伸ばすが、自制心はあるようですぐに止まった。
――意外とまでは言わないけど、知らなかった一面を見ている気がするな。ユーリでああなるなら、ヴィータでも似たようなことが起きるんじゃないだろうか。いや、でもユーリとヴィータじゃタイプが違うからな。
などと考えている間に、ユーリは月村からフェイトへと移動していた。火が点いたときの行動力は高町以上かもしれない。
「フェイト・T・ハラオウンです。よろしくねユーリ」
「はい、よろしくお願いしますヘイトさん」
「はは……ヘイトじゃなくてフェイトね」
「えっと、フェイトですか?」
「そう、フェイト」
きちんと修正ができるあたり、ユーリはレヴィよりも上かもしれない。
フェイトも普段どおり接しているし……ふと思ったが、ユーリは高町やフェイトをシュテル達に似ていると思っていないのだろうか。全く比べている素振りがないように見えるが……ユーリの中では俺以上にシュテル達の存在は確立されたものなのかもしれない。
「最後はわたしやな。八神はやて言います、よろしくなユーリちゃん」
はやてはふざけたりせずに人懐っこい笑みを浮かべて挨拶したのだが、ユーリは今までと違って何も言わずにじっとはやてを見ている。
「えーと……わたしの顔に何か付いとる?」
「あっいえ、何も付いてませんよ。ただショウさんと似た瞳をされてるなぁ、
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