空白期 第21話 「ユーリとお出かけ その3」
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高町とユーリがすっかり意気投合した後、高町に先導される形で移動した。向かった先にはフェイト、バニングス、月村、それにはやてといつものメンバーが揃っていた。彼女達は高町に何かしら言おうとする素振りを見せたが、俺やユーリに意識を向ける。ただ俺よりも初対面のユーリのほうに意識は割いているようだ。
「みんな紹介するね。この子はユーリちゃん、ショウくんの知り合いで遊びに来てたんだって」
「はじめまして、ユーリ・エーベルヴァインです」
綺麗にお辞儀をするユーリを見て、バニングスや月村は感心したかのような表情を浮かべた。礼儀作法などを教えられていそうな彼女達には、やはりそういうところにも目が行くのだろう。
バニングス達がそれぞれ自己紹介するかと思ったが、前もって話を聞いていたりしたのかユーリは何かを思い出しているような顔をしている。先ほどの高町の件から考えると、嫌な予感がしないこともない。
「えっと、確かヘイトさんにアリリンさん、スズタンさん……」
「誰がアリりんよ!」
「ひゃ!? ご、ごめんなさい!?」
バニングスの怒声とも取れるツッコミに驚いた(多少なりとも睨んでいたので恐怖したかもしれない)ユーリは、飛び跳ねるように俺の後ろに隠れてしまった。高町のほうが近かったはずだし、彼女の方がバニングスを宥めるのに向いているのだが、俺の方が信頼されているということだろうか。
「ア、アリサ、大きな声出しちゃダメだよ」
「そうだよ。ユーリちゃん怖がってる」
「う……わ、悪かったわよ。でも仕方ないじゃない、まさかレヴィって子から付けられたあだ名で呼ばれるとは思ってなかったんだから」
確かに前にレヴィから言われたときも似た反応してたからな。ユーリに悪気がないのはバニングスも分かってるだろうけど、いきなり言われれば反射的にツッコむのも無理はない。
「ユーリ、あとで少し話そうか」
「え……は、はい」
「ん? あぁ別に怒るとかじゃないから。ただシュテルやレヴィが間違ったことを教えてる可能性があるからね。また同じようなことにならないために確認しておこうと思って」
周囲に聞こえないようにこそっと言うと、ユーリはこくりと頷いた。どうやら自分の中の認識に間違いがありそうだと先ほどと今のできちんと理解したらしい。
「えっと、ユーリだっけ? そ、その悪かったわね。いきなり怒鳴ったりして」
「い、いえ……こちらのほうこそすみませんでした」
と言うものの、ユーリは俺の後ろに隠れたままだ。昔は人見知りだったという話を聞いたことがあるので、もしかすると今も多少はそれが残っているのかもしれない。
――まあ自分のせいとはいえ、出会って早々に怒鳴られたらこうなっても無理はないよな。バニングスって高町や月村と違って気が強そう
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