第四章
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その高校生と思われる客は真理奈に顔を向けて応える。ところが。
「えっ!?」
「なっ!?」
真理奈もそのうちの一人もお互いの顔を見て驚きの声をあげた。あげずにはいられなかった。その理由は他ならぬ二人が次の瞬間に自分達自身の声で言ってしまっていた。
「高谷君!?」
「君は」
何とマニアと話していたのは高谷君なのだった。そしてその高谷君が出す次の言葉は。
「高橋さん!?」
「どうしてここに」
真理奈は目を白黒させてその高谷君に問う。
「いるのよ」
「高橋さんこそ」
二人はそれを否定せずにお互いに対して問うていた。これは肯定に他ならなかった。
「どうしてこんなところに」
「そ、それは」
咄嗟に何と言えばいいのかわからない。相手の男も高谷君の向かいの席で呆然としていた。
「何があったんだよ、一体」
「確かここって高校生はアルバイトできないんじゃ」
「そ、それは」
真理奈は高谷君の問いに反論できなかった。とてもそれが可能な心理状況ではなかったのだ。
「その・・・・・・」
「それにその格好」
高谷君はさらに言う。
「どうしてバニーガールに」
「た、高谷君だって」
動転したまま真理奈も言う。最早言葉にも問いにもなっていなかったが。
「バニーガール見にって。どういうことよ」
「いや、これは」
「こんな嫌らしいお店に。どういうつもりよ」
自分の価値観を高谷君につぶけるのだった。もう何が何なのか周りにも自分達にも全くわからない状況になり果ててしまっていた。
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