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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
薄明
第14話 暗幕
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―――かつての大東亜戦争における日本のようにな。
奴はだから鬼となることを選んだのだろう、奴は己の正義故に剣鬼となった―――誰よりも、真剣で誠実で在ったからこそ。……私は少なくともそう思う。」
故にどんな正義もまた、善悪の両面を持つのだ。
この世のあらゆる力を持つものは穿き違えてはならないのだ、善と正義は同じものではない。
多くの場合、他者を害する属性を持つ正義はその本質に於いて、寧ろ悪に近い性質を持っているのだ。
「―――真壁殿が他人についてそこまで語るとは正直、意外ですね。」
「……出来の悪い弟のように見えてしまうからな、そのせいかもしれん。」
「ふふふっ、彼は閣下の義弟でしょうに。」
藤原女史は静かにほほ笑むのだった。
「さて、戯事は此処までにしておこう。今後のBETA・AH両戦局を見越しても新型機の開発は急務、特に他国も着実に第三世代機を実戦投入しその運用経験を蓄積し戦力を増強し、そのフィードバックによる従来機の近代化改修で戦力を増強している。
追い付かれるのは時間の問題、そういう意味では今始めれたのは非常に都合がいい。―――千堂専務の中間報告によると概ね先進技術開発は順調らしい、半年もすればATRX(アトラックス)の方は組み上がるそうです……跳躍ユニット以外は。」
「跳躍ユニットは矢張り、今までにない試みが原因なのか?」
「ええ、我が国も多数の人工衛星を手掛けていますからそれなりに電磁推進のノウハウはありますが、星間航行用のヴァシミールエンジンを戦術機に搭載可能なほどに小型化・高効率化させるとなると生半可ではありません……一番の問題は粒子の磁場閉じ込めに必要な超伝導コイルです。
超伝導状態の維持に必要なエネルギーが膨大すぎます、最低でも常温で超伝導特性が可能な素材が無ければ実現は不可能かと。」
「ふむ……素材開発は成果が出る時期を見極め難いからな。―――横浜を使うか?」
真壁の報告を耳にした斑鳩はやや思案し、横浜の名を出す。
すると藤原、真壁の両者のまゆに皺が寄った。
「ですが閣下、あの女狐め。協力を要請しても素直に応えましょうか?如何な対価を要求されるか分かったものではありません。」
「女史はえらく彼女を嫌うな、彼女は中々に可愛げのある人物だぞ。」
「あら、妬けてしまいますわ―――華山院様とも懇意にされているようで、閣下の好みが今一つ把握できなくて困りますわ。」
「可愛い女性なら誰だって好みさ。」
深遠な微笑を湛えて答える斑鳩嵩継―――実際、女の敵と認定されてもおかしくない言葉である。
だが、其れをしても他人を惹きつけさせるのは王者の風格か。
「……横浜には博士子飼いの特殊部隊がいる。損耗率の高い部隊だ、より高性能な機体を所
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