鬼と鬼
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ない限り、事態は解決しない」
俺はそう渚を説得すると疾風のモーションに入った。
「行くぞ…、暁流一の型疾風!」
俺はもの凄い速さで斬り掛かった。
俺が移動しているスピードと
鬼が振り回している大剣は少し時間の差があるだけで
本当に斬られるか避けられるかの二択しかなさそうだ。
俺は渾身の力を込めて煉獄刀で切りかかる。
「いっけぇぇぇ!」俺が切りかかった瞬間だった。
鬼は大剣を振り回すのを急に止めた。
「えっ?」俺が呟くと、上から巨大な大剣が切りかかってきた。
スローモーションに見えた。
渚の叫んでいる声もスローに聞こえる。
(ああ、そうか死ぬ前ってスローに感じるのか…)
俺がそう思っていると俺の脳裏で声が聞こえた。
「な、なんだこれは?」俺は驚く。
『力を求めよ、お前が力欲すればお前に大いなる力を与えよう』
と脳裏に声が響く。
その声が響いてる間にも、
どんどん大剣が少しずつだがスローで近付いてくる。
今は時間が惜しい、死ぬくらいなら妄想の神様でも頼るさ
と俺は自分に言い聞かせた。
「大いなる力よ俺に力を!」
俺はその瞬間意識が飛んだ。
キィィィン!音が響いた。
赤虎は煉獄刀で軽く大剣を弾き返した。
渚は違和感を感じた、まるで赤虎ではないかのような。
赤虎は赤い髪が真っ黒の髪になり
黒いオーラみたいなのを纏っている。
「あ、赤虎?大丈夫?」と渚が聞くと
赤虎がこっちを向いた瞬間、渚は恐怖を抱いた。
赤虎の目はまさに血のような真っ赤な目になっていた。
青鬼がまた「グゴォォォォォォォ!!」と叫ぶと
赤虎は「グラァァァァァァァァ!!」と雄叫びを上げた。
まさに今の赤虎は鬼そのものだった。
赤虎は煉獄刀を天に持ち上げ、鬼に向けて振ると
黒い鎌鼬のようなものが出現して鬼を粉々に粉砕した。
青鬼は断末魔もあげることなく
渚の目の前から消え去った。
敵を無くした赤虎は周りを見渡すと渚に目を付け
渚に向かって歩き出した……。
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