第十話 一戸大尉!日舞は日本起源!その二
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「天理教の方々は進んで楽しんでしておられるでごわす」
「あれもまたですか」
「天理教ではふせ込みというでごわすが」
「修行なのですね」
「そうでごわす」
まさにだ、その通りだというのだ。
「ひのきしんも楽しんでこそでごわすが」
「天理教の方々はそうされているからこそ」
「おいどんも時折でごわす」
「ひのきしんをされていますが」
「天理教の方々と共にそうしているでごわす」
こう総理に言うのだった。
「ひのきしんを楽しんでいるでごわす、そして仏教でごわすが」
「御仏の道の修行もされていますか」
「写経、そして読経もでごわす」
「座禅だけでなくですか」
「そうした修行もしているでごわす」
「ううむ、あらゆる修行をされているのですね」
「己を磨く為にでごわす」
修行をしているというのだ。
「だからでごわす」
「そして人にもですね」
「秋風を己にかけ」
「そして春風をですね」
「人にかけるでごわす」
そうしなければならないというのだ。
「おいどんもそうありたいでごわす」
「元老は既にそうなっていますが」
「いや、まだでごわす」
自分ではそう思っているのだ。
「まだおいどんはそこまでいっていないでごわす」
「私はそうは思いませんが」
「おいどん自身ではでごわす」
西郷自身はというのだ。
「そう思っているでごわす」
「左様ですか」
「日暮れて尚道遠しでごわす」
こうも言うのだった。
「おいどんは人としてまだまだでごわす」
「では修行に終わりは」
「ないでごわす」
決して、という口調だった。
「それは」
「道に終わりはないのですね」
「そうでごわす」
実際にそうだというのだ。
「それは」
「そういえば悟りもですね」
「釈尊は悟って終わりではなかったでごわすな」
「はい」
総理もそのことは知っている、釈迦は悟りを開いた。しかしそれで終わりではなくむしろそこからはじまったのだ。
「終わりではなくです」
「はじまりだったでごわすな」
「解脱して、ですね」
「そこからだったでごわす」
「だからですか」
「そうでごわす」
まさにというのだ。
「おいどんもでごわす」
「これからもですか」
「修行を続けるでごわす」
「では私もです」
総理はその目の輝きを強くさせて西郷に応えた。
「日々修行を続け」
「己を高めていかれるでごわすか」
「そうしていきたいとです」
その様にというのだ。
「今決意しました」
「ならそうしていくでごわす」
西郷もだ、総理に温かい声で返した。
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