第六章
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「そんなものか」
「そうだよ。断言はできないよ」
こう達観した様な言葉で答えるのだった。
「中々ね」
「何か随分わかった様なことを言うな」
「?ひょっとして御前」
「昨日だけれどよ」
「まさか」
皆ここで政行のことに築いたのだった。この辺りは中々察しがいい。
「清浦の家で」
「あいつと」
「それでか?」
「ははは、それはさ」
これまでよりさらに強く笑っての言葉であった。
「まあ内緒ってことでね」
「ちっ、これだから彼女持ちはよ」
「顔だってつやつやしてるしよ」
「羨ましい奴だぜ」
こう言ってさも羨ましそうに言う面々だった。実際にその言葉には嫉妬が混ざっている。
「まあそういうものなんだな」
「女は皆そうする」
「これって一面でしかないんだな」
皆このことをあらためて確かめるのだった。
「つまりは」
「そういうことか」
「そういうことだよ。男だって同じだしね」
またこう言う政行だった。
「だからね。そんなに決め付けることはないよ」
「そうか、それだったらな」
「それでな」
こう割り切ることにした男達だった。そしてここで。
政行を後ろから呼ぶ声がした。その声の主は。
「工藤」
「ああ、清浦」
恵子だった。彼は笑顔でその声の方に振り向く。するとそこに彼女が立っている。
「いいかな」
「うん、何かな」
笑顔で彼女の方に向かう。女は皆そうする、されど女は一途でもある、そうした矛盾することがわかった話であった。ささやかであるがかなりの大騒動もこれで終わった。
女は皆そうする!? 完
2010・1・14
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