第三章
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七面鳥を切って食べつつだ、チャーリーはジミーに言った。
「とりあえず祝うか」
「聖夜をか」
「ああ、こんなしけた場所だけれどな」
暖房はあるが雑然とした感じの部屋だ、それで言うのだ。
「クリスマスはクリスマスだ」
「だからか」
「祝うか」
「そうしてな」
そのうえで、というのだ。
「楽しくやろうぜ」
「折角だからか」
「ああ、クリスマスはクリスマスだ」
「昼と言ってること違うぜ」
「気が変わったんだよ」
それでこう言ったというのだ。
「そうなんだよ」
「それでか」
「ああ、そうさ」
笑っての言葉だった。
「だからいいだろ」
「そうなるか」
「まあどっちにしてもな」
「このターキーとケーキはか」
「俺達のものだ」
見ればケーキは見事なデコレーションだ、その他にも食べるものはあり二人で何とか、という量だ。それでというのだ。
「好きなだけ食おうぜ」
「そして楽しんでか」
「ああ、それでな」
そうしてというのだ。
「今夜はな」
「楽しく過ごしてか」
「仲良く過ごすか」
「そうしようか」
「ああ、じゃあな」
こう話してだ、二人でだった。
様々なものを食べてだ、カウボーイスタイルで言うのだった。
「メリークリスマス」
「俺達だけのな」
「何時か結婚してな」
「女房子供と祝おうな」
こうしたこともだ、二人で言った。
「こんなワイルドな場所じゃなくてな」
「こんな格好じゃなくてな」
こう笑って言うのだった。
「普通の服でな」
「祝おうな」
こう話しつつだ、コーヒーを飲みつつ食べていってだ、そして。
チャーリーは自分達のカウボーイの服も見てだ、ジミーにこんなことも言った。
「また気が変わったけれどな」
「ああ、今度は何だよ」
「いや、この服でのクリスマスな」
「埃っぽくて仕方ないな」
「けれどこれがかえってな」
「それでもか」
「後でいい思い出になるかもな」
こうしたことも言うのだった。
「これからな」
「ははは、じゃあ今日は思い出作りか」
「そうかもな」
「じゃあそのつもりでか」
「今日は楽しくやるか」
「それしかないしな」
こう二人で話してだ、そのうえで。
二人はカウボーイの服のまま楽しく食べて飲んだ、そうして男だけでのむさ苦しいながらも楽しいクリスマスを過ごした。
カウボーイスタイル 完
2014・12・29
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