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魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
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volume-5 new year
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力を多用しすぎたことで右目が青に染まっているのだ。
 屋上にやってきたのは、高町恭也。昔手加減なしで戦いあい、関係も最悪であったが、どういうわけかこうしてまた会っている。


「なのはには……なのはたちには会って行かないのか?」
「ああ。まだ今の俺には会う資格はない。自分の気持ちの整理もついていないんだ。だから、まだ、だ」
「そうか……。お前がそれでいいなら、別にいいがな。少しはなのはたちのことを考えてやれ」
「まさかそんなことをお前に言われる日が来るなんて思っても見なかった。……でもまあ、心に刻んでおくよ」


 燐夜は寂しそうに力なく笑うと恭也に言う。


「…………悪いけど、今日ここで会ったことは誰にも言わないでくれないか?」
「なのはにもか?」
「ああ、そうだ」
「……まあ、いいだろう。こっちも迂闊にお前と会ったなんて口を滑らせてあいつらに追及されるのも面倒だからな。次はないからな」
「……恩に着る」


 燐夜には恭也を気絶させて記憶を抜き取るといった方法も取れたが、そうなってくると恭也を相手にするのはかなり無理があった。燐夜自身万全の状態ではないため、おそらく押し負けると予想していた。だったら最初から頼んだ方が早い。そんな思惑もあったりするのだが、正直言ってすんなり聞き入れてくれて肩を空かされた。手間が省けて助かったのだが。
 恭弥も照れくさくなったのか、燐夜から背ける。背けたところで燐夜に聞きたいことがあった恭也は振り返る。


 だが、そこに燐夜はいなかった。動いた気配も感じなかったが、おそらく魔法という奴でどこかに行ってしまったのだろう。なんだかやるせない気持ちになったが、そろそろ家に帰るかと気持ちを切り替えて屋上から出て行く。
 誰もいなくなったビルの屋上は、先ほどまで人がいたとは思えないほど静まり返っていた。
 朝日に照らされて少しずつ閑静な住宅街から人の声が聞こえ始めていた――――。






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