第壱章
第四席。法正、名無しの鬼を引き取るとのこと
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ないよ? 私達もそれなりの実力を持ってると自負してるつもりだけど、それでも私達より前に司令官の部下になってた信濃さんや志穂さん達には勝てないんだよ。それを象徴するかの様に、天龍の討伐数は約一万なのに対して、信濃さんの討伐数は約六万、志穂さんの討伐数は約二万だ。この討伐数の差が実力の差を表してるよね」
「オレ等が志穂さんや信濃さん達に届く訳無いだろ。そもそもオレ等と信濃さん達とじゃあ提督に訓練してもらってる時間が違うっての。大和さん達までならオレ等全員で掛かれば何とかなるかもしれないが、紅愛さんや紅葉さんとかは俺等と大和さん達加えて漸く互角だし、纏々さんや藺さんにはそれ以上だし、提督に至っては提督以外の全員で掛かっても勝てないんだ。そんだけ差があってどうやって志穂さん達に勝てって言うんだよ」
と、ボヤく天龍。しかし、その表情には焦燥や悲観と言った感情は無かった。
「フッ、そんな褒めても何も出せんぞ? と言うより、お前等も頑張れば私等と同等の実力ぐらい付くだろ」
「で、信濃さん達と同等の実力になる頃には、信濃さん達は更に強くなっているんだろ? 追い付くのは何時になる事やら」
「そりゃあっし等も何もせずにアンタ等に追い付かれるのを待つわけ無いじゃないでござんす。ま、紅葉や紅愛、信濃とかにはあっしも追いつけそうにねぇでござんすが」
と、談笑しているが、七人居る内の三人は返り血で真っ赤な為、少女はおっかなビックリと言った感じである。
『……さて、信濃達も仕事終えたし、帰るか』
飛鳥がそう言うと、全員がそれぞれ伸びをし、首や腰の関節を鳴らした。
『……もちろん、お前もな』
「…………ホントにいいの? 僕みたいなのを置いとくと面倒な輩に絡まれるよ?」
「そんな心配をお前がする必要はないぞ。先の戦闘を見てただろ? 億を超える数で攻められでもせん限り、私等に敗北は有り得ん。これは油断や慢心とは違う、確信だよ。余程、飛鳥より強い敵でも出てこん限り、私等は負けん。お前が心配する事はなんもない。気にせず付いて来りゃいい」
「そうでやんすよ〜。アンタが気にする事ないでやんす。別段、あっし等襲撃なんて慣れっこでやんす。一応拠点の近辺の諸侯には山賊の一派みたいな扱いされてるでやんすから、希に軍を遣わされるでござんす。ま、其処いらの練度の低い軍兵なんて一瞬で蹴散らせるでやんすがね」
「そう言うこった。お前が気にする事なんてなんもねぇよ。俺や木曾の他に何人か瞳の色が左右で違う奴居るし、何より提督自身がそれだからな。宝石みたいで綺麗な眼だぞ?」
「で、でも……」
『……諄い。……オレ等はお前が危惧するほど弱くない。……お前が心配するような事は一切無い。……そう気負うな』
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