第壱章
第四席。法正、名無しの鬼を引き取るとのこと
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りだった。
そして、仮面の人は、手を伸ばせば届くほどの距離まで近づいて来て、右手をゆっくりと振り上げた。
逃げられない。殺される。もうここ迄だ。
そう思い、僕は目を固く閉じた。
――――ナデナデ
『……大したものだ』
仮面の人は、僕の頭を撫でていた。
意味が分からない。訳が分らない
僕は、頭の整理が追い付かず、目をパチクリさせる。
『……だが、そんな剣はもう要らない。他人に怯え、自分を護る為だけに振るうだけの剣なら、もう捨てちまえ』
そういうと、仮面の人は背を向けて離れた。そして、少し離れた場所で止まると、何処からとも無く、二つの槍と、三つの剣と、一つの弓を取り出し、こちらに放り投げた。
慌てて投げ渡された武器を受け取る僕。
なぜ? なんで武器を?
ひどく動揺した。理解ができなかった。この人は、僕を殺しに来たんじゃないの?
『……くれてやる。オレの武器』
そう言って、仮面の人は言葉を続けた。
『……武器の本当の使い方、知りたかったら、付いて来い。……これからは、武器を振るい、敵を斬る為だけではない。……己だけを護るのではなく、己が信念を、仲間を、大切なモノを護る為に』
そう言って、仮面の人は背を向け、離れて行った。その背中を見て、着いて行きたいと思った。
理由は分からない。ただ、初めて会った気がする。
こんなにも優しい人に。こんなにも強い人に。こんなにも気高い人に。
そう思いながら、僕は仮面の人の後を追った。
Side:END
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先程のやり取りの後、飛鳥達は着いて来る事を決めた少女を快く歓迎し、今は七人で対談中である。
『……お前、名前以外何も無いのか?』
「は、ハイ。な、名前は有りますが、字も真名も貰う前に両親を村の人達に殺されて……」
『……あぁ、目の色が左右で違うから、か?』
「ハイ……」
そう言って縮こまる少女。内心、村人達の様に気味悪がると思い込んでいる模様だ。
「なんだ? 私等がその程度の事でお前の事を気味悪がると思ってるのか?」
「え。だ、だって、瞳の色が左右で違うのは悪魔の子だって……」
「あっし等も、飛鳥様に拾ってもらう迄はアンタと似た様な境遇だったでござんす。それに、目の色が左右で違うだけで悪魔の子なら、飛鳥様は悪魔――否、魔王でござんす」
『……誰が魔王か』
「とは言え、あっしも信濃も、天龍も、木曾も、響も、そ
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