第3部 始祖の祈祷書
第4章 三つ巴の探り合い
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か」
「あらギーシュ。素敵なお宝を見つけてプレゼントしたら、姫様も見直すかもよ?」
ギーシュは立ち上がった。
「諸君、行くぞ」
「わ、私も連れてってください」
シエスタは叫んだ。
自分がついていなかったら、キュルケはウルキオラを派手に誘惑するに違いない。
「ダメよ、平民なんかつれてったら、足手まといじゃない」
「馬鹿にしないでください!わ、わたし、こう見えても……」
シエスタは、拳を握りしめて、わなわなと震えた。
「こう見えても?」
キュルケは、まじまじとシエスタを見つめた。
「料理が出来るんです!」
「「知ってるよ!」」
「知っている」
その場の全員が、シエスタに突っ込んだ。
「でも!でもでも、食事は大事ですよ?宝さがしって、野宿したりするんでしょう?保存食料だけじゃ、物足りないに決まってます。私がいれば、どこでもいつでもおいしいお料理が提供できますわ」
確かにその通りだった。
ウルキオラはともかく、ギーシュもキュルケも貴族なので、まずい食事には耐えられない。
「でも、あなたお仕事あるんでしょう?勝手に休めるの?」
「コック長に『ウルキオラさんの手伝いをする』って言えば、いつでもお暇は頂けますわ!」
厨房を切り盛りするコック長のマルトー親父は、ウルキオラのことが大好きだった。
多分、シエスタが言った通りになるだろう。
「わかったわ、勝手にしなさい。でも、言っとくけど、今から向かう場所は危険がいっぱいよ?怪物や魔物がわんさかいるのよ?」
「へ、平気です!ウルキオラさんが守ってくれるもの!」
そういってシエスタは、ウルキオラの腕をつかむ。
ウルキオラは、言っても離さないので、溜息をついた。
キュルケは頷くと、一同を見回した。
「じゃあ準備して。そうと決まったら出発よ!」
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