第3部 始祖の祈祷書
第4章 三つ巴の探り合い
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なんなのよ…」
自分に言い聞かせるように、ルイズは何度も呟いた。
ウルキオラがルイズの使い魔をクビになってから、三日が過ぎた。
ヴェストリの広場の片隅で、見慣れないテーブルと椅子を見つけたのは、ヴェルダンデを捜していたギーシュだった。
ギーシュは何故、こんなところにテーブルと椅子があるのだろう、と思った。
そして、その椅子にはウルキオラが座っていた。
「ギーシュか」
「何をしているんだい?こんなところで」
ギーシュはウルキオラの座る椅子に近づいた。
すると、ウルキオラの横から愛する使い魔がぴょっこり出てきた。
「ヴェルダンデ!ここにいたのか!」
ギーシュはすさっ!と立膝になり、巨大モグラに頬ずりした。
モグモグ、と巨大モグラは嬉しそうに鼻をひくつかせた。
「お前は相変わらずだな、ギーシュ」
ウルキオラはギーシュを軽蔑した目で見つめている。
「当り前だろう。主人と使い魔は切っても切り離せない存在なのだ」
ギーシュはそんなウルキオラの目を全く気にせずに大声で笑いながら言った。
巨大モグラもまんざらでもない様子である。
「そうか」
ウルキオラはどこか遠くを見つめるような目で言った。
そんなウルキオラの様子をギーシュは怪訝に思った。
「ルイズと何かあったのかね?」
ギーシュの言葉にウルキオラは目を見開いた。
「どうしてそう思う」
「ルイズが最近授業に出ていないのでね。何かあったのかと思ったのさ」
ギーシュはそういいながら、ウルキオラの向かいにあった椅子に腰かけた。
「そうか」
「何があったんだい?喧嘩でもしたのかい?」
ウルキオラはギーシュに相談することにした。
あんだけ女癖が悪いギーシュなら、何かわかるかもしれないと思ったからだ。
「実はな……」
ギーシュはウルキオラに変に信頼されたとは思いもせずに、ウルキオラの話を真剣に聞いていた。
さて一方、こちらはルイズの部屋である。
この三日間、ルイズは、気分が悪いといって授業を休んでベッドに潜り込み、もんもんとしていた。
考えているのはクビにした使い魔のウルキオラのことである。
部屋の片隅を見ると、ウルキオラが座っていた椅子がある。
それを見てると、ルイズは悲しくなった。
そんな風にしていると、ドアがノックされた。
ウルキオラが戻ってきたのだ、と思った。
悲しみが喜びに変わる。
それから喜びに怒りを感じる。
なんで喜んでるのよ、私。
なによ、今さら戻ってきたって入れてあげないんだから。
ドアがガチャリと開いた。
ルイズはがばっと跳ね起きて
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