天下分け目の戦国MOVIE大合戦
グランドフィナーレ
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そして今日、あの日と同じステージで、ライダーバトルロイヤルステージが改めて開催される。
暗い客席から、スポットライトで照らされた中央ステージを見やる。ステージにいるのは、黒影に変身できる初瀬と、グリドンに変身できる城乃内だけ。
《いよいよファイナル・ステージ! レイドワイルドとインヴィットの、首位を賭けての一騎打ちだ》
紘汰、光実、戒斗が失踪したことで、必然的に初瀬と城乃内のチームのランキングが上がり、どちらが頂点になるかを決するバトルになってしまった。
「ザンネンね。『鎧武』に変身したら咲も参加できたかもしれないのに」
「だめだよ、ヘキサ。だって鎧武は紘汰くんだもん。あたしじゃない」
あの時。レジェンドロックシード(モン太とチューやんに倣ってそう呼ぶことにした)は変身を解くなり消えてしまった。
あの一回。紘汰と心通じ合わせたたった一回の奇跡のようなものだったのだ。咲はそう思うようにしていた。
「あーあ。光兄さんか葛葉さんがいれば、チーム鎧武も今ごろ……」
ヘキサらしくもなくふて腐れる様が可愛くて、咲はヘキサの手を握った。
「なあに、急に」
「えへへ〜。ひみつ」
レジェンドライダーに変身した時に、オレンジの裂け目の向こうに見た鎧武を思い出す。あれは最後の戦いだったように見えた。
(もしかしたら、もうすぐ帰って来るかも、なんて)
まさにそう思った瞬間だった。ステージにオレンジ色のクラックが開いたのは。
裂け目から飛び出して来たのは、紘汰に光実、舞、それに戒斗だ。
《おおっと! ステージに現れたのは、行方不明になっていた鎧武にバロン、龍玄たちじゃないか》
ヘキサはつい客席を立ち上がった。
「光兄さんっ」
ずっと音信不通だった次兄の元気な姿に、声はつい感極まったものになった。
涙さえ浮かべていたところで、ポケットのスマートホンが鳴動した。
ヘキサはスマートホンを取り出した。新着メールが1件あったので、開いてみて、――笑顔を堪えきれなかった。
『 ただいま From;呉島貴虎 』
紘汰たちの帰還に、彼らのチームメイトが前に出て彼らを出迎えている。
咲の中にうずうずと込み上げるものがある。咲はそれに任せてスロープを跳び跨ぎ、ステージに着地した。
「咲!?」
「紘汰くんとミッチくんがいるなら話はベツなのっ」
咲は、再びバトルロイヤルのステージに立った男たちの輪へと、走った。
――ヒデヨシとチャチャを想う。元より戦を望まなかった夫婦だ。今頃は戦の終わった戦極の世を助け導いているかもしれない。そう思うと、咲の心はじんわりと温まった。
ぬくもりは熱に変えて。咲は咲
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