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空ーsky−
第1話 薬の匂いと桜の香り

前書き
 〜プロローグ〜
 
 君が隣にいる。

 僕はそれだけで充分だった。

 大好きな君が笑ってくれていればそれだけでよかった。

 はずだった・・・。

 赤信号、止まらなかったトラック。

 
 そして・・・
 少女が僕の前で倒れた。

 
 目の前が赤く染まった時、僕は、僕は、その場に倒れこんだ。
 
 涙すら出なかった。現実に思えなかった。目の前の少女が君だなんて思えなかった。思いたくなかった。
「やだ・・・嫌だ・・・なんで・・・。ああああああああああああ!!!」

 

 そして、僕の記憶はリセットされた。

 第一話

 ここはどこだろう。
 薬の匂い
 白いベッド。
 机の上には黄色の花。
 窓から見える桜の花。
 
 そうだ、ここは病院だ。なんで、僕はこんなところに?
 
 僕は、何をしていたのだろうか。

 『ガラガラ』
「目が覚めましたか。調子はいかがですか?」
入ってきたのは看護師さんだった。
「大丈夫です。ただ、わからないことがあるんです。」
「ん?」
「なんで・・・なんで僕は病院にいるのですか?」
「え・・・」
看護師さんが青ざめた。

 「失礼しますっ!」
そういって看護師さんは、あわてて部屋をでた。

 (え?僕、何かしたかな?)
そう思いながら僕は窓に近ずき、少し窓を開けた。

「桜だ・・・」

 そういって僕は微笑み、ベッドへ戻った。

前書き


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