憎悪との対峙
36 燃え盛る光炎
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のは木場の方であった。
「しかし!!空振りですね、敵に繋がる情報がロックマンだけ。正直、ロックマンに倒されていたValkyrieはアテになりません。連中も一応プロです。黙秘を決め込まれたら...終わりです」
1人の隊員がフォローするように間に入り、木場に今にも殴られそうだった隊員を助けた。
しかしそれくらいに得られた情報は少なかった。
そして今回の作戦が実行されていれば、ますます情報は減っていただろう。
木場はなぜかキョロキョロと周囲を見渡していた。
「....フッ」
そして何かを見つけたようにニヤリと笑みを浮かべた。
「いやいや...吐かせられる容疑者はいるじゃないか?」
「はっ?何を...」
木場はゆっくりと人質たちを励ましている1人の少年の方に向かった。
それによってその場にいた隊員たちの多くが何を思いついたのかを悟った。
「まさか...」
「なっ?それが大変のなんのって...メイルっていう幼なじみはいいやつなんだけど、すっげぇ過保護でさ」
「フフ!!熱斗くん面白い!!」
「俺ら、親が厳しくてさ。そんな風に近所の子と遊んだこと無かったぁ」
「光熱斗くん!」
「え?はい」
木場が声を掛けたのは熱斗だった。
熱斗はオペレートの後、怯える人質たちと年が近いこともあって励ましていた。
長時間過酷な環境で監禁されていた彼らには熱斗の言葉は暖かく、癒されるものだっただろう。
そんな彼らとの会話の間にズケズケと入り込み、右手を熱斗の方に乗せた。
「いやぁ...テロリストが生きていくには辛い世の中になったんだよねぇ」
「え?どういう...」
「光熱斗!!君を今回の事件の重要参考人として任意同行、いや現行犯逮捕する!」
「ハッ!?アンタ、何言って!?」
『そうですよ!現行犯って熱斗くんが今、何をしたって!』
PETの中のロックマンも驚きを隠せなかった。
現行犯逮捕とは警官の目の前で実際に犯罪を犯した場合に使われるものだ。
しかし熱斗は人質と話していたに過ぎない。
全く話が噛み合わなかった。
「そうだな...私への暴行、捜査中の捜査官に向かっての公務執行妨害としておこうか」
「しておこうかって...どういう、うっ!?」
木場は勢い良く熱斗の腕を掴むと、そのまま手錠を掛けた。
熱斗は既に何が何だか分からない。
しかし木場はニヤリと耳元で呟いた。
「今は書類1枚でどうとでもなる世界でね。誰かがこの事件の黒幕になってもらわないと私は困るんだよ」
「!?キッサマァァ!!」
「ウォォォ...ハッ...公務執行妨害成立...」
熱斗はまだ自由の効くサッカーで鍛えられた足で木場の腹部に向かって蹴りを入れる。
しか
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