憎悪との対峙
36 燃え盛る光炎
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する覚悟だった。
ますます首を絞める腕に力が入っているのが分かる。
しかしスターダストはその状態で左手の親指をクラクションとEMPキャノンの発射ボタンの隣にある赤いボタンに掛けた。
しかし恐ろしくてすぐに指を離す。
このボタンは後部シート、すなわち常識的には2人乗り、もしくは荷物が乗っているシートを弾き飛ばして排除するボタンだった。
これを押せば確かに後部シートに飛び乗って首を後ろから絞めてくるジャミンカーは空中に弾き飛ばされるだろう。
だが首を抑えられている状態では事故を起こすまでもなく、運命を共にしかねない。
この状態から脱出するにはもはや力技しか残ってなかった。
「仲良く地獄に落ちようぜ!!」
「オレはお断りだ!!1人で行って来い!!!」
スターダストは声を張り、気合を入れると、苦しみながら前のめりになっていた頭部で思いっきり頭突きした。
「うっ!?」
「ヤァ!!ハァァァ!!!」
不意の頭突きで腕の力が弱まった隙に更に腹部を肘で突き、ダメージを与えた状態で左手で胸ぐらを掴んだ。
右手で車体をコントロールしつつ、思いっきり叫び、そのまま前方に放り投げた。
「ヤァァァァ!!!!」
「!?グゥゥゥ!!」
ジャミンカーはそのまま前方20メートル程先に投げ飛ばされ、地面に叩きつけられ転がる。
普通の人間なら確実に死んでいるところだ。
一瞬でイリュージョンはその横を通り過ぎる。
スターダストはすぐさまブレーキを掛け、急停車した。
地面に強烈なタイヤ痕が残り、摩擦による熱が発生している。
「…クッソ…ふざけてんじゃねぇぞ…」
「!?…ッ」
ジャミンカーはまだ立ち上がる力を残していた。
そして停車したスターダストの方にゆっくりと向かってくる。
スターダストもスタンドを立てると右足を振り上げて、イリュージョンから降りる。
「…ヤァァァ!!!」
「…」
ジャミンカーは一気に走り出す。
マシンから降りたスターダストと1対1で肉弾戦をするつもりらしい。
電波人間の脚力は60メートル近くあった距離を僅か2、3秒で詰め、あっという間に戦闘に突入する。
「ハッ!!」
「ッ!ヤァ!!!」
ジャミンカーは真正面から殴りかかる。
かなりのダメージを受けているはずなのに、キレのある力強いパンチだった。
スターダストはそれを交わし、握った拳をハンマーのように振りかざして太ももを砕く。
「うぅぅ!?」
ジャミンカーは下半身への反撃でバランスを崩し、後方によろめいてスターダストと距離を取る。
もはやバランスを崩して倒れそうなのを必死に堪えたのに近い。
そしてスターダストは左足に力を込めると、勢い良くステップを踏み、思いっきり右足でジャミンカーの胸部を蹴り
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