憎悪との対峙
36 燃え盛る光炎
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ると、シフトペダルにかけていた左足を離して、体を捻り、右方向、後方から迫ってきていたジャミンカーを蹴りつける 。
「ぐあぁ!!」
そのままコントロールを失った390 RCは横転し、運転していたジャミンカーを巻き込んで大破した。
そしてスターダストシフトアップし、速度を上げた。
そう、スターダストの目的は逃亡ではなく、追手の殲滅だった。
「…クッ」
スターダストはようやくマシンの扱いに慣れ始めた。
電波変換している段階で常人を遥かに超える身体能力が備わっていたため、彩斗が運転という技能に順応してきたというのが正しいかもしれない。
もともと常人が乗ることを前提としていない、つまり電波人間のような超人的な人間なら乗りこなせる可能性が高いが、それが可能かどうかは乗るものの技能に左右される。
正直、驚いていた。
慣れてきたら、まるで手足のように軽く扱える。
マシンが自分の力に呼応しているようだった。
とっさに自分も横転する覚悟で標的とは反対の足をペダルから離して蹴りつけるという危険な攻撃も難なく成功した。
それが一気に自信に繋がった。
「クッソ!?急に速度を!?」
アクセルを開くと速度を上げ、距離を広げる。
しかし目的は突き放すことではなく、次の攻撃でスロットルから手を離さなくてはならないからだ。
「!?…おいおい…うわぁぁぁぁ!!!」
スターダストは自身のヘルメットの両耳を模したバックミラーで狙いをつけながら、再びバズーカに変形させると後方のジャミンカーに向かって放った。
390 DUKEが爆発し、乗っていたジャミンカーが火だるまになって吹き飛び、海へと落下する。
「チッ!...当たらない!」
スターダストは再び次の標的を狙ってバズーカを連射する。
「クッ!アイツ、頭イカれてんじゃねぇのか!?」
「バズーカをおもちゃにしやがって!!」
ジャミンカーたちはそれぞれのマシンを巧みに操り、全ての攻撃を交わした。
だが全てギリギリだ。
余裕を持ってのんびりハンドルを切ったのでは、どう考えても間に合わない。
通常の射撃と違い、バズーカには爆風という副産物がついている。
片手で凄まじい反動のあるバズーカを乱射するスターダストも異常ではあったが、それを交わすジャミンカーも異常だった。
排気量が400cc、1100ccの中型と大型の車体を手足のように操る。
長年の経験、そして運動神経が無ければ不可能だ。
まさに電波人間同士の常識離れした戦いと呼ぶにふさわしかった。
爆発により道路は既に原型を留めない程に崩れ、いくつも穴が開いていた。
スターダストは乱射を続けていてはマシンが止まってしまうため、腕を戻すと、シフトダウンしてスロットルを開き、クラッチを繋いで速度を回復させる
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