Interview7 「お母さん」
「みーんなやっつけてやります」
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のルールを歪めるなら精霊側の敗訴だ、と少女は訴えた。
クロノスは冷ややかに答えた。
「 オリジンと契約した始祖クルスニクこそが、クルスニク一族の者の命を『橋』に定めたのだぞ 」
崇拝していた女が、精霊どもと同じくらいに残酷な試練を少女たちに用意していた。
少女の女への愛は変わらなかった。だがこの日確かに、少女の中で女に対して抱いていた何かが砕け散った。少女は、折れたのだ。
だが、少女以外の7人の「子どもたち」は屈しなかった。彼らは腑抜けてしまった少女に頼もしく告げた。
「 貴女は言った。人類は精霊から解き放たれ、自由に生きるべきだと。貴女の理想を遂げるためには、貴女に頼ったままではいけない 」
「 貴女の力で『審判』を超えてもそれは真に人類の勝利とはいえない。貴女は精霊であるゆえに。我らは我らのみで精霊より勝利をもぎ取らねばならない 」
かの子らの主張はまったき正論であった。少女は歓喜した。
「 若者たちよ。お前たちは自らの意思で選んでくれたのね。人の独立独歩を。精霊を排し人類が繁栄する未来を。我が理想を正しく受け継いでくれていたのね。ええ、ええ、これ以上何を望みましょう。さあ、その槍をこの身に突き立てなさい。イリスは貴方たちをかの地に渡す橋となりましょう 」
少女は子どもたちを「カナンの地」へ渡すため、喜んで子どもたちに殺されて「橋」を架けた。
ミラ・クルスニクの子どもたちは虹色の「橋」を渡り、最後の試練に挑みに行った。
これで少女のものがたりは閉幕――であればどんなに救われただろう。
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