第三十二話 伊勢神宮その二
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菫はその鯉達を見ながらだ、一同に言った。
「それではね」
「うん、神社の中にね」
「行きましょう、お伊勢さんの中は凄いわよ」
「広いのよね」
「ただ広いだけじゃないわ」
伊勢神宮はというのだ、菫は向日葵に話した。
「神々しい場所よ」
「伊達に日本で第一の神社じゃないのね」
「そう、皇室の方々も来られるし」
そして、というのだ。
「天皇陛下、皇后陛下もね」
「本当に別格ね」
「そう、この神社はね」
「私はお寺の娘だけれど」
仏教だ、だがそれでもとだ。向日葵も言うのだった。
「何かここは違うってわかるわ」
「向日葵さんは神道とは」
「嫌いじゃないわよ、家全体で神社の人達ともお付き合いあるし」
向日葵は菖蒲の問いにも答えた。
「というか宗教関係者同士仲よくしてるわよ」
「それはいいことね」
「天理教の人ともキリスト教の人ともお付き合いあるし」
神道だけでなく他の宗教関係者とも、というのだ。
「仲悪くないわよ」
「そういえば前にもお話してたわね」
「うん、同じ仏教でも宗派が違っても仲いいし」
向日葵はこうしたことを普通のこととして話していく。
「お父さんにも神社や教会に行っても怒られるどころかいいことって言われてきたわ」
「それでいいと思うわ。何しろ歴代の天皇陛下の中には」
菖蒲は日本史からも話していく、その長い歴史を。
「出家されている方もいるわね」
「法皇様ね」
すぐにだった、裕香が応えた。
「後白河法皇ね」
「そう、あの方もそうだったし」
「出家は仏教だけれどね」
「神道の頂点におられる天皇陛下でも出家されてたのよ」
「それってつまり」
「そう、二つの宗教が融合してたのよ」
その時点でというのだ。
「そう考えてもいいわね」
「ううん、何か凄いわね」
「だからお寺の人が神社に行ってもいいのよ」
「別にタブーでもないのね」
「向日葵さんは正しいわ」
菖蒲は微笑んで向日葵に顔を向けつつ裕香に話した。
「神道と仏教は共にあるものなのよ」
「共存共栄ね」
「ええ、そうよ」
そうなるというのだ。
「そして今からね」
「中に入ってお参りするのね」
「そうよ、この神社に入って」
七人で進みながらだ、菖蒲は話していく。
「神々を感じましょう」
「神々っていうとギリシア思いだすな」
薊はこうしたことも言った。
「どうにも」
「言われてみればそうね、けれどね」
「日本でもそうなんだな」
「八百万の神様がいる国だから」
「だからいいんだな」
「神々でもね」
特にというのだった。
「構わないのよ」
「そうか、一緒なんだな日本もギリシアも」
「そうよ、神様が沢山いることはね」
「じゃあここはオリンポスか?」
伊勢神宮
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