第12話:最後の戦い
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く倒れ、気絶した。
ゴードンはクラウンの操作していたパソコンを蹴り飛ばすと破壊した。
だが、人工衛星は動くままだった。
一方で、ワシントン地下のモナーク秘密研究所ではフォードとジョアンナがいた。
フォードはコンピューターの様子をみた。
モニターには警告音と警告画面がでていた。
「どうすればいいんでしょうか?」
フォードはジョアンナの顔を覗き込んだ。
するとジョアンナは冷静に告げた。
「ここのコンピューターをすぐさま、物理的に破壊するしかない。私の中にある物を含めて。人工衛星はここで操作されているから、もしもここが破壊されたら止まるわ。例え一つでも残っていたら、またハッキングされて利用されるかもしれない。だから全部壊して。」
フォードはジョアンナの方をみつめた。
彼女は『私の中にある物を含めて』と言った
「あなたを助けたい。」
フォードはそういった。
「いつか私もハッキングされたらあなたを殺してしまうかもしれない、それが怖いの。私を英雄にして、せめて最後の一瞬でも」
そうでもしなければ、命は助からない。
何万人の命が失われる。
「フォード、最後のレッスンよ。時には大義のためには味方も切り捨てなさい。」
ジョアンナはそう告げた。
その目は士官学校にいた時の彼女だった。
フォードは少し、目を下に向けながらも首を縦に振った。
ジョアンナは義手のないほうの腕で、優しくフォードの顔に触れると唇に別れのキスをした。
「私は今でも愛してるわ、あなたを。」
フォードは目に涙を浮かべそうになったが、耐えた。
彼は父の葬儀以来久々に泣いた。
フォードは手で涙をぬぐうと、彼女にある物を渡した。
それは先ほど仕掛けた爆弾のスイッチだった。
「これを押してください。」
ジョアンナはフォードの決断を受け入れると、優しく微笑んだ。
そして、首の中で下げていた認識票を手渡した。
「私の墓にこれを飾って。」
フォードは彼女の認識票を持った。
すると、こらえていたものが出そうになった。
だがそれでも耐えた。
そして、彼女に告げた。
「さようなら。」
フォードはそういうと、彼女に背を向けて走って行った。
ジョアンナは優しく彼を見送った。
監視カメラの映像をみつづけた。
彼女の中にあったのはいまだに残る、フォードへの愛だった。
監視カメラの中で逃げる、彼の姿を彼女はいとおしく感じていた。
やがて、建物から去るフォードをみつめると彼女はボタンを押した。
フォードへの愛と敬意とともに、彼女はビルとともに爆風と炎に身を焦がして吹き飛んで行った。
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