第12話:最後の戦い
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後ろの方から投げ飛ばす形のジャーマンスープレックスを食らわした。
ジョアンナの体は大きく吹き飛ぶと、地面に突き刺さるように倒れた。
「いい加減にしてほしいのはこっちだよ。」
フォードはそう吐き捨てるように言った。
そして、とどめを刺そうと銃を構えた。
力なくジョアンナは義手を持ち上げた。
フォードは彼女に近寄り、顔を見た。
その目の色はすでに、ガイガンのものではなく優しいジョアンナのものに変わっていたことがフォードにはわかった。
「フォード・・・。」
ジョアンナの声だった。
フォードは銃を捨てると、彼女の方にかけよった。
倒れた彼女の体を抱きおこすと、フォードは自身の膝でひざまくらをする形で彼女を起き上がらせた。
「軍曹、すみません。」
フォードは彼女にそういった。
ジョアンナは優しく微笑むと、フォードの頬に義手ではない方の手をやさしく触れた。
「死の瞬間何を思い出したかわかるか?お前の顔だよ。お前の体にまた触れたかった。」
ジョアンナは自分の体で立ち上がると、フォードの顔に自身の顔を近づけた。
そして、唇と唇を重ねあわせた。
フォードはあまりのことで呆然としていた。
彼女は唇を離すと、彼を自由にさせた。
そして、しばらくの間沈黙が支配した。
「フォード、お願いがあるの。私を殺して?」
「ダメだ。」
「もしもやらないと、まだ頭の中に残ってるガイガンのAIが目覚めそうな気がするの。いいえそうなるわ。奴は賢いわ。私の体の中にAIを残しておいたのよ。」
「いやだ。」
「お願い、ここで奴らのコンピューターとともに爆破して。」
フォードは首を縦に振らなかった。
彼女をフォードは愛していた。
今では妻を一番愛してる。
だが、それでもフォードにとってジョアンナはいろいろな思い入れが強い相手だった。
軍人としての自分を育てた恩師。
初恋の女性。
キスを初めてした女性。
女性の味を教えてくれた女性。
フォードはできなかった。
「すみません、軍人失格ですか?俺あなたを助けたい。」
「もしも私を愛してる記憶があるなら、思い出して私はこんな人間じゃなかった。」
彼女は義手を取り出した。
何よりも死体をサイボーグにされて甦らされた、彼女にとってそれが何よりも不愉快だった。
死体を利用した生み出された殺し屋。
愛した生徒を、愛した男を傷つけそうになった。
彼女はまたいつか起きるかもしれないと思っていた。
「フォード、私のために殺して!」
フォードはジョアンナを抱きかかえた。
すると、彼女を抱き寄せながら伝えた。
「どんな理由があって
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