Interview4 1000年待った語り部 U
「どっちを信じるかは明白だよね」
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だとしても、医療黒匣による治療費の相場や、緊急災害時における医師の救護従事義務を考えると、あなたの行為は正当とは言えません! この件はきっちり記事にして世間に発表させてもらいますから!」
リドウは悠々とした笑みを崩さない。エージェントにとってはスキャンダルのはずなのに。
「別に記事にしてもいいけど。ただ、クランスピア社のトップエージェントと、地元紙の駆け出し記者、世間がどっちを信じるかは明白だよね」
「う……く、ぅ…っ」
レイアは反論できないでいる。見ていられなかった。
ルドガーはレイアの肩を掴んだ。
「いいよ、レイア」
「っ、ルドガー、でも」
「レイアが俺たちのためにがんばってくれたの、ちゃんと伝わったから」
ルドガーはレイアを下がらせ、リドウの前に立った。
「銀行からの融資――借金の契約をして金を用意する。だからエルを返してくれ」
「O・K。賢明な判断だ」
リドウはぞんざいにエルの腕を離して前に突き出した。
まろび出たエルを慌ててキャッチする。涙の膜が張った翠眼は見ないフリをして、ルドガーはエルの頭を撫でた。
慰めるようにルルが下から鳴いた。ルドガーとエル、どちらを慰めているかは分からなかった。
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