闇神と希神と元初神
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「……」
俺は暗い所で囚われていた。
分身体達のリンクも途切れ、神化もほぼ不可能。それに、消滅と再生を繰り返し続けているせいか、神力も吸収され続けている。
「チッ、面倒だな。虚無に呑み込まれたとは言え、神化すらもままならねぇとは……」
俺は壁を探そうとするも、辺りは暗くて、壁も無い。空間自体も壊せれば良いのだが、神化出来ない以上、それは不可能。そこに。
「如何お過ごしかな、ダークネスウイング」
ウロヴォロスの精神体が空間に現れた。
「ウロヴォロス……!」
「言っておくが、今の君の神力は私が所持している。無駄な足掻きは止めるんだね」
「……っ!」
俺は唇を噛んで怒りを露にする。
「所で……シモベ達に力を与えたのは君かい?」
「力?」
少なくとも、力は全て俺の中にあったはず。それを奪ったのはウロヴォロスだ。しかし、その本人が力を与えたなんて……とここまで考えて、笑みが溢れた。
「……何が可笑しい?」
「いや、元初の神でも解らない事があるもんだな、と。グハッ!!」
突然、ウロヴォロスに蹴られ、激痛が走る。
「君の分身体も一人、イレギュラーを見付けたよ」
「ああ、夜行だな?黒鉄夜行、アーチャーの英霊と化した俺のもう一つの姿」
「何……?」
ウロヴォロスは眉を潜める。
「あいつ……夜行は人間さ。俺が生み出した英霊と言う名の人間。もう一人の、本来神としての使命を持たず、死ななかった俺のもう一つの未来の姿が彼奴だ」
俺はしてやったりの顔をすると、ウロヴォロスに蹴られる。
「ぐっ!!」
「良くもやってくれたな、ダークネスウイング……。お前はそうまでして人類を救済したいか!!」
「……人は獣に在らず。人は神に在らず。ゲホッ……人は今一度考えるのだ、人とは何か。そして、何をすべきかを……それを俺は考えて来た。争いを続け、そして人を平気で殺す、そんな人間に」
「そこまで解っていて何故人間を救う!?神は、神と言うのは聖なる物を守るために居るのでは無いか!?」
俺はふっ、と笑う。
「その考えがあめーんだよ、元初神。人間は変われる。その知能がある。それでも、変われないのは……それぞれの食い違いが在るからさ」
「……理解できないな、お前は」
「俺にだって、お前の考えには賛同出来ねぇな」
ウロヴォロスはそれを聞くと、言う。
「どちらにせよ、貴様はこの亜空絶空間から出られない。永遠に私の神力供給元となるのさ」
「それを黙って許容するほど、俺は馬鹿じゃねぇぜ?」
「負け惜しみを……」
そうして、ウロヴォロスは消えた。
そして、次の瞬間。
「居ましたか!ダークネスウイング!!」
三人の神が俺の前に現れた。
「スフィア、リティー、シェード」
担当が違えど、少なからず交流のある神達だった。
「ウロヴォロスが活
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